2010年10月25日月曜日

敵対的買収と機関投資家を巡る最近の動向

今日もセミナーに行ってきた。以下に概要をメモ。


・2010年7月末までに買収防衛策を開示した企業は累計613社、廃止・非継続を公表した企業は累計71社。継続・更新をする企業の比率は9割以上と高い水準となっている。

・防衛策を廃止した企業の7割が廃止の理由を「金融商品取引法の整備による」としている。但し、この理由で廃止した場合は、今後の株主構成の変化等の外部要因を理由に買収防衛策を再導入することは難しいと思われる。

・かつて紙面を騒がせたスティール・パートナーズの日本株投資比率は低下傾向にある。その一方で、投資比率が上昇傾向にあるファンドは、シルチェスター・インターナショナルやエフィッシモ・キャピタル(シンガポールに拠点)である。シルチェスターは突如英文の書簡を企業に送るというアクションを起こすことが多い。エフィッシモに関しては以前書いた()。

・今年の海外機関投資家の議決権行使比率の平均は初の60%超え。理由は以下の2点。
1点目は日本企業における外国人株式保有率が上昇したこと。2010年6月の日本の上場会社における外国人株式保有比率は26.0%。これは過去4番目に高い数字である。
2点目は金融危機の影響で、機関投資家への委託者である年金基金などから、企業のコーポレート・ガバナンスの一環として議決権行使が強く求められるようになったこと。

・クロスボーダーのM&Aの最近の特徴は、中国が買い手の主体となってきたこと。敵対的な買収も1件成功させている。


最後のクロスボーダーのM&Aの主体が中国になってきたというところが、リアルにハゲタカの世界を感じてしまう。赤いハゲタカはいつか日本に上陸するのか。

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