2019年10月17日木曜日

ビジネス会計検定試験2級に合格する方法

結構、簡単に合格したので、かつて執筆した「ビジネス実務法務検定試験2級に合格する方法」を真似て、僕が実践した独学の勉強法をまとめておく。 (合格発表等の情報は、ビジネス会計検定試験の公式サイトこちらでチェック)





・使用問題集・参考書と学習時間

▮問題集:ビジネス会計検定試験公式過去問題集2級
▮参考書:ビジネス会計検定試験公式テキスト2級
▮日  数:受験者のバックグラウンドによるが、簿記検定試験を受けた経験がある人なら、いきなり2級を受けても大丈夫。土日を完全に勉強に費すなら、期間は1か月で十分。僕は簿記試験は受けたことがないが、財務諸表は仕事で使っていたので、その点はアドバンテージがあった。

なお、BSとかPLと聞いても「?」となる人は、簿記検定試験かビジネス会計検定3級から受験することをおすすめしたい。


・公式問題集と公式テキストを買う

まず、本屋さんに行って、上記の本の最新版を買おう。会計分野は年単位でガラッと変わるものではないが、本試験はディスクロージャーに関連した会社法や金商法(金融商品取引法)の分野も出題される。法律の改正は頻繁にあるので、もし古い本を持っていても買い替えるべき。大抵、日商簿記検定や、税理士、公認会計士試験コーナーの近くに置いてある。なければ、アマゾンで購入。2冊で4,000円ちょいぐらいかかるが、これ以外は受験料(6,600円)だけでいいので、文句を言わずに買うべし。もし、この資格の合格が1万円強を払う価値もないと思うなら受験しない方がいい。

ちなみに、アマゾンの書評でも酷評されているが、誇張表現でも何でもなく、特に問題集が控えめに言ってクソである。しかし、マイナー資格であるが故に、他に本が出ておらず、また腐っても試験主催者である大阪商工会議所の「公式」であるため、現時点では本書を買って工夫しながら勉強することをお勧めしたい。


・問題集を分解する

買ってきたら、まず問題集を開く。各分野別問題→各章の解答→2回分の過去問→過去問の解答と構成されているが、これは非常に使いにくいので、それぞれバラバラにする。やや力がいるが、カッターナイフで切れ込みを入れてから、無理やり引っ張れば簡単に分解できる。(ただし、これは問題集を綺麗に使いたい人には向かない。その場合はそのまま使って下さい。)


・問題集を解きながら覚える

さて、ここから本格的な勉強のスタートだ。まず、分野別問題に挑戦する(過去問とその解答は少しの間封印)。ここで注意点が、バカ正直に選択肢から回答を選ぶのではなく、1問1問に対して○×形式で解いていくこと。空欄挿入問題もなるべく選択肢を見ずに解く。こうした方がトレーニングとしての効果は高いのだ。アウトプットしながらインプットする方が効率もいい。

簿記検定試験を受けたことがない人は、最初は全くわからないだろうが(僕もそうだった)、とりあえず持っている知識を総動員して挑戦してみて、そして解答と解説を見る(解説部分を分解していると、使いやすい)。

さて、ここからが少しネックなのだが、同系統のビジネス実務法務の問題集は解説文章がかなり詳細かつ丁寧に書かれており、公式テキストが手元に無くても解き進めることができる。一方、このビジネス会計検定の公式問題集の解説は、ほとんどの問題において「第○章第○節参照」としか書いていない。せめて、該当ページ数くらい書いてあれば救いようがあるのだが、それすらないので、公式テキストの参照と書かれてある範囲から、ペラペラとめくりながら自分で答えを探さなければならない。正誤問題においては、間違っている選択肢の、どこの部分が間違えているのかすら書いていないものもあり、もはや問題集の解説の体をなしていないと言えるだろう。

従って、問題集を解く際には公式問題集がセットで必須であり、僕は理解を深めるためにも、解説ページの余白欄に、公式テキストやネットで調べた情報を書き込んで活用した。

分野別問題は大体6回くらい繰り返せば、全問正解できるようになっているはず。ちなみに進め方としては、1回正解した問題はチェックを付けて飛ばして、間違えた問題だけ繰り返していく方法がお勧め。すべての問題にチェックがついたらチェックを消して再度解き直して、とにかく完璧にこなすべし。


・公式テキストの問題もしっかり解く

先述の通り、問題集と解くと必然的に公式テキストを何回も開くことになるので、敢えて通読する必要性は低いと思われる。一方、この公式テキストにも例題問題が結構収録されており、こちらの問題も問題集と同じ要領で解き進めることをお勧めしたい。但し、このテキストの例題は問題の真下に解答を掲載するという独学者への優しさを微塵も感じられない仕様となっているので、本のしおり等で隠しながら解くしかないだろう。

加えて、私がこの公式テキストが腐っていると思うのが、巻末の索引だ。掲載項目が少ない上に、「減価償却」という言葉が索引に設けられていないのだ。会計の試験であるにもかかわらず、である。これにはさすがの私も驚いた。というか呆れた。テキストの執筆者を見ると、関西学院大学と関西大学の教授で占められているが、関西であれば京都大学や大阪大学といった立派な大学があるので、そちらの教授に頼むべきであり、少なくともこの2大学の関係者には今後執筆を依頼しないことを、大阪商工会議所には強くお勧めしたい。

・財務分析はカードを使って丸暗記するのが効率的

第9章の財務分析では、「営業キャッシュ・フロー・マージン=営業活動によるキャッシュ・フロー/売上高」など、たくさんの公式が出てくる。頭の良い人は、問題を解いていく中で自然と覚えることができるのかもしれないが、私は時間がなかったので、カード化して何回も繰り返して丸暗記した。この分野は絶対に出題されるので、丸暗記しておけば得点源にもなる。逃げるのではなく、しっかりと暗記してしまうことをお勧めしたい。

ビジネス会計検定試験2級に合格する方法
財務分析カードの作成例

なお、何の保証もしないが、私が作成した財務分析カードのワードファイルのダウンロードリンクを掲載しておくので、気になった人は加工するなどして活用してみて下さい。

https://drive.google.com/uc?id=1OnuXtoXrGlUbQ4BhIjh0XzlCVpRo-q6H&export=download


・過去問を実施して仕上げ

分野別問題は「もう間違えねーよ」というレベルに達したら、封印していた2回分の過去問を出してくる。そして時間を計って挑戦。こちらも解説が全く充実していないので、公式テキストで自分で調べた上で、間違えた問題を中心に繰り返し解いて完璧にする。

これだけすれば、十中八九ビジネス会計2級の試験は合格すると思う(合格率は30%~40%らしい)。ちなみに、私は2回目の過去問を解いた時点で既に合格ラインである7割を超えたので、問題集に収録されている問題をしっかり解いて復習するようにすれば、大丈夫だと思う。

・独学では合格は難しい?

ビジネス会計検定試験2級は独学では難しいからといって通信講座やスクールに通うことを勧めるサイトもあるが、前述の通り、それは人によるであろう。本試験の受験生は、簿記検定試験2級を合格した後に、会計知識を深める人が大半らしいので、簿記検定試験を勉強した人であればスクールは不要。また、僕のように簿記のテキストすら開いたことがない社会人でも、多少財務諸表の知識があれば、問題集をしっかり解くことで余裕で合格できたので大丈夫である。

但し、しつこく指摘している通り、公式問題集及び公式テキストの出来が、控えめに言っても相当悪いので、そこで挫折しそうな人はスクールや通信講座に通われることをお勧めしたい。

なお、「減価償却ってなんですか」というレベルの人は、下記のような会計の基本の本を一読されてから勉強を開始されることをお勧めする。

図解「財務3表のつながり」でわかる会計の基本
國貞 克則
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 25,857


・ビジネス会計2級は昇進・転職に立つのか

はっきり言って就職活動や昇格にはあまり役に立たないだろう。難易度は高くないし、2chなどでよくある資格ランキングでも真ん中くらいだ。何よりマイナー過ぎて、この資格の存在そのものを知らない人も多い。企業の経理部や財務部の社員が簿記を取得した後で、自己啓発として取得するくらいだろうか。ちなみに僕は経営分析を行う立場になったので、財務諸表をしっかり読めて、かつ分析ができるようになりたくて、本資格を取得した。もっと会計分野を極めたいのであれば、ビジネス会計検定1級や日商簿記検定1を目指すべきだろう。こちらは論述試験なので、より高度な会計知識が求められている。


・実務には役に立つのか

これは財務や経理の担当者であれば、実務にかなり役に立つと言える。BS・PL・CFのつながりや、株主資本等変動計算書がどう関係しているのか、よく理解できるようになるし、各科目がどういう意味を持っているのかもしっかり理解できるようになる。また、株式投資をしている人であれば、ROEやPER、PBRといった収益指標もしっかり勉強できるので、おすすめである。

ビジネス会計検定は試験内容はとても優れているが、テキストと問題集が腐っているので、どこかの出版社がちゃんとしたテキストと問題集を出すことを期待したい(予備校系はビジネスチャンスかもしれない)。







<関連エントリー>




2019年10月15日火曜日

「見える化でわかる限界利益と付加価値」の誤字脱字誤植について

見える化でわかる限界利益と付加価値
橋本 賢一
日刊工業新聞社
売り上げランキング: 259,769


ビジネス会計検定2級試験を経て、限界利益についてもう少し掘り下げて勉強してみようと手に取ったのが本書【見える化でわかる限界利益と付加価値】である。

結論から言うと、管理会計とか限界利益を学ぶ本としては全くおすすめすることはできない。敢えて使い道があるとすれば、限界利益に関してはある程度理解している人が、こういった考え方もあるのかと見識を少し広げるくらいにしか役に立たないだろう。

なぜ本書がダメなのか。理由は簡単で、「①書いてあることが分かりにくい」、「②誤字脱字及び誤植が多い」、この2点である。

「①書いてあることが分かりにくい」に関しては、私の頭が悪く理解力が乏しいところから生じる問題かもしれないが、なかなか独りよがりな文章が構成されている上、ところどころに挿入される図表やグラフが一体本文の何を表しているのか理解するまで時間がかかるものが非常に多い。感覚で言えば、説明がさっぱり分からない会議のプレゼンやセミナーの話を聞いているのと似ている。

「②誤字脱字及び誤植が多い」に関しては、①にも関連するが、もともと不明瞭な文章に誤植が入ると、それだけでストレスが溜まるのである。

以下、私が読んでいて気づいた誤字脱字に加えて、付け足さねば分からない部分に関して掲載するので、(本書は買わないに越したことはないが)もし課題等でどうしても本書を読まなければならない人は参考にして頂きたい。


■ □ ■ □ ■


P24 ■パンの原価の何が直接費で、何が間接費か

技術スタッ→技術スタッ

P41 【図】修繕費は変動費か固定費か?

※図が何のデータを元に何を表しているのか不明

P48 ■売値を決めるため

8,0000円→80,000円

P86 ■残業と休出をどれくらいすればよいか

前提条件の1.50時間→P84の前提条件のこと

P89 【図】ライン・機械別シミュレーション

26,30  1,724→26,301,724 ※数字が離れている

P123 ■管理面の効果金額の計算

5-11→P120のタイトルのこと

P123 【図】管理によるコストダウン

S1→P121のS1のこと

P128 ■意思決定の分かれ道に立ったら

何が優位かの判断基準は①の目的によって違うのが→何が優位かの判断基準は①の目的によって違うが

P147 【図】内外製の判断

②材料待ち→材料持ち
③材料型待ち→材料型持ち

P162 ■設計から見直すか作り方を見直すか

長期的にはこういう製品を改善対象とて→長期的にはこういう製品を改善対象として

P172 ■スマイルカーブを国内産業に当てはめてみる

付加価値が低いというスマイルカーが描ける→付加価値が低いというスマイルカーが描ける

P196 ■固定費にはどのような種類があるか

月割経費のほとんど固定費である→月割経費のほとんどは固定費である

P197 【図】4種類の製造経費がある

注目 の文字が意味不明

P198 ■固定費は部門別に大きなものを攻める

ここ部門とは管理可能部門のことで→ここ部門とは管理可能部門のことで

P200 ■設備投資のステップ

税引後予想未処分利益剰余金 ※グーグルで検索しても出てこない言葉

P204 ■数の多いものは開発費をかける ※この計算式のミスが最も劣悪

2000×10年+180+1.3X220+3.0X
380+1.3X1.7X
160X=94t

→2000÷10年+180+1.3X
220+3.0X=380+1.3X
1.7X=160
X=94t



特に最後のP204の方程式のミスは×と÷を間違えるという小学生レベルの致命的ミスに加えて、改行部分を間違えて式が成り立たなくなっているのに、そのまま掲載しているというお粗末さ。加えて私がうすら寒く感じたのが、著者である橋本賢一氏が公認会計士であるということと、本書が既に初版6刷版であるということである。著者だけではなく、出版社である日刊工業新聞社のレベルの低さも浮き彫りにしている

以上より、少なくとも独学で何かを勉強しようと思う方には、本書は言うに及ばず、橋本賢一氏の書籍は強くお勧めしない。

2019年10月11日金曜日

「東大家庭教師の頭が良くなる思考法」を読んだ

東大家庭教師の頭が良くなる思考法】を読んだ。かなり以前から、ネットで良い本だという書評を読み、読みたいと思っていたら、今になってしまった。結論から言うと、評判通り、とても分かり易く、腑に落ちる内容が多かった。

その中でも、特に僕が覚えておきたいと感じた内容は、「書き出すこと」と「習慣化」の重要性だ。

以下、ラインを引いた部分を自分用メモとして抜粋しておく。更に内容が気になる方は購入して読んでみて下さい。


■□■□■□■


・書き出すことで思考のスイッチが入る
「悩み」や「希望」を頭の中だけで考えているのでは、まさに暗算をしているのと同じ

・書くことで「他人の目」で見つめ直せる
自分の頭の中にあったことを文字にして書き出すことは、自分の体の「外」に出すことになり、「人ごと」としてとらえやすくなりる

・問題を絞れば、最高の結果が手に入る
高品質の結果を出したいのならば、ひとつのことにエネルギーを集中して取り組むべき

・手に入れたいものは、数字などを入れて具体化する
「達成条件」はしつこいくらい具体化し、明確にしていくことが大切

・「やるべきこと」は細かくわける
細分化は「いますぐ実行可能な次の一手」にたどりつくまでつづける

・「合格/不合格」の基準を決めておく
「検証」においては、「いつまで(期限)」に、「このレベル(達成基準)」という「期限」をきちんと設定する

・どんな小さなことでも、記録する習慣をつける
現実に起きていることをデータ化していくと、自分の現状を正確に把握することができる
(例)ダイエット

・つづけるものは「習慣化」していく
習慣化のメリットは、行動が自動化することで、その分の意思エネルギーを節約できること


東大家庭教師の 頭が良くなる思考法 (中経の文庫)
吉永 賢一
KADOKAWA/中経出版 (2015-08-27)
売り上げランキング: 141,275


2019年10月3日木曜日

「女子のための株式投資入門 株は夢をかなえる道具」を読んだ

女子のための株式投資入門 株は夢をかなえる道具

売り上げランキング: 61,184


グラビアアイドルが株式投資で成功しているというネット記事を読んで迷わず購入したのがこの【女子のための株式投資入門 株は夢をかなえる道具】。さすがグラビアアイドルだけあって、華が有る表紙だ。

さて、彼女は広島を出てからモデルとして仕事をする一方で、株式投資を始めて、なんと5年で1000万円、今では1億円の利益を叩き出しているというのだから驚きである。

本書を手に取った人が期待するのは、そんなモデル業をしながらでも、どうやってそんな利益を上げることができたのか、という点だろう。もちろん、僕もその一人だ。

で、結論から言うと、投資の極意のようなものは書いていなかった。具体的にどうやって儲けて、その一方でどうやって損したのかというエピソードは書いてあるが、投資を始めた種銭を1000万円に、そしてそこから1億円の大台に乗せた軌跡の記述は一切なし。おそらく、コンスタントに稼ぐ「秘伝」は自分の中にだけ閉まってあるのであろう。

ちなみに、半分くらいは「証券口座の開き方」などが書いてあるため、本当の株式投資の初心者以外は買わなくても良いかもしれない。

ただ、僕がすごいと思ったのは、彼女がモデルとしてデビューして一番世間から「ちやほや」される時期であっても、現実的に将来を見据えた行動をとっていたこと(それが彼女の場合は株式投資になるのだが)、そして株式投資で稼いだお金で散財するのではなく、その資金を元手にソフト補正下着のブランドを立ち上げ、ヒットさせていることだ。目を付けた事業も手軽に飲食店などに手を出すのではなく、グラビアモデルという職業をフルに活用した事業であり、その部分に株式投資における銘柄見識が非常に高いことが伺える。

よって、「女子のための株式投資入門」とあるが、特に社会人デビューしたての若い女性社員は読んでみたら面白いのではないだろうか。

出るかどうか分からないが、続編というか、入門ではない「実践編」が出ればぜひとも読んでみたいと思った。