2015年10月7日水曜日

株主総会のあり方検討分科会

たまには株式実務のネタを・・。

現在、3月末決算の上場会社は6月末に株主総会を開催することが一般的である。10年ほど前までは総会屋対策として集中日に9割以上の会社が株主総会を開催するという超集中日が常識であったが、最近では最集中日ですら4割程度、かなり分散化が進んできた、と僕は思っていた。しかし、あくまで1日だけの集中日が緩和されただけであり、6月末周辺に株主総会が集中することには変わりがなく、投資家目線としては不満があるらしい。機関投資家の連中は、複数の銘柄を保有していることが常なので、同時期に招集通知が届いても各々の議案をじっくり吟味できないということだろう(従って、ISSなどの議決権行使助言会社のアドバイスに従うこととなる)。だからといってもっと前倒しで開催するには、決算処理や準備実務等々から難しいのが現状だ。頑張って前倒ししている会社はあるが、これは人員的に余裕がある会社に限られるだろう。というわけで、経済産業省の「株主総会のあり方検討分科会」から出てきた提言が、7月開催できるよう、現在の基準日から3ヶ月以内に株主総会を開催するという会社法の基準日制度を4ヶ月以内に変更する提案だ。

なお、非常に恥ずかしながら、現状でも3月末決算の上場会社が7月に株主総会を開催することは可能である、ということを知らなかった。基準日は2週間前までに公告するか定款に記載すれば、いつでも設定することは可能なので、3月末決算でも4月末を基準日にすれば7月に株主総会は開催できる。しかし、そんなことをしている会社を聞いたことがないのは、決算日の株主に対して計算書類の報告を行うという慣行があるためだろう。

今後は、法改正に伴い、基準日制度の期限が3ヶ月から4ヶ月に延長されるか、決算日から基準日を後ろ倒しするような勧告が出るかのどちらかであろう。昨今の流れに鑑みると、来年の総会で1社くらいは7月開催する3月末決算会社が現れると予想している。

個人的には、7月開催は暑いので、むしろ開示書類を減らして決算短信や招集通知を簡素化し、早期開催しやすくするという方向での改正を期待したいところであるが、コーポレートガバナンス・コードの議論に鑑みるに、今のところ考えられていないようだ…。


<参考リンク>
・「株主総会のあり方検討分科会」(経済産業省)



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