2011年3月15日火曜日

昨年の株主総会を振り返って

タイトル通りのセミナーを受講してきた。気になった部分を箇条書きでまとめておく。


1.
有価証券報告書が定時総会前提出可能となったが、作成日程や監査日程の関係もあり、実施した会社はごく少数だった。また、今年も増加する見込みはない。しかし、最近の株主はこういうことに詳しいため、事前提出を行わない場合は、なぜ行わないのか回答を用意しておく必要がある。

2.
招集通知が金融商品取引所で掲載されることとなった。これにより、自社のHPに招集通知を掲載する会社が増加した。

3.
臨時報告書による総会決議結果の開示は、特に役員候補者毎の議決結果開示はインパクトが大きかった。ほとんどの会社が総会当日分は役員と大株主のみ集計したが、海外機関投資家は当日出席分全てを集計することを求めている。但し、某会社の「賛否の結果が当日出席者で決まりそうな株主総会」では、当日出席分の賛否を全て集計したが、150人前後の出席者にも関わらず、集計に2時間を要したとのこと。あまり現実的ではないだろう。
当日出席の大株主の賛否の意思確認方法は、1位「包括委任状」、2位「職務代行通知書」、3位「拍手等の目視による確認」だった。提出日は3日目が最も多く、4日目までに提出した会社が9割を占める。

4.
独立役員は社外役員全員を届け出る義務はなく、1名のみを届け出た会社が最も多かった。法定の記載事項ではないが、株主総会事業報告・参考書類へ独立役員である旨を記載するかを検討する必要がある。昨年の総会では事業報告に独立役員の記載した会社は45.7%。東証は「情報提供することが望ましい」とコメントを発表しており、積極的な記載が望ましい。
また、コーポレート・ガバナンス報告書での独立役員の開示加重要件の一つとして「当該会社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家又は法律専門家」という項目があるが、買収防衛策の独立委員の報酬は、ここの「役員報酬」に当たるのか否かという問題がある。現在、役員報酬と同視してよいという説と同視できないという説がある。

5.
役員退職慰労金議案につき、昨年末に改定されたISSの新基準では、個別の支給額または総額の支給額が開示されなければ反対推奨するとなった。なお、旧ISSはRiskMetrics Groupに買収され名前が変わっていたが、RiskMetrics Groupが他社に買収されたことで、名称がISSに戻っている。

6.
ある会社で予想外に多くの株主が来場し、15分前に来場したにも関わらず、入場できたのが定刻5分後となり、クレームをつける株主が出た。これは株主総会の瑕疵ともなりかねないので、特に株主が増えた場合は受付体制を整えておく必要がある。

7.
株主総会の事前質問状を大量に送りつけてくる例が増えている。事前質問状の法的効果は調査を要するという理由で説明を拒絶できないというだけで、議場で指名を受ける優先権があるわけではない。しかし、実務上は指名しておいた方が無難。但し、長い質問状を朗読し始めても「質問の要点を簡潔にお願いします」と促すべき。また、クレームの電話対応を録音し、質問に先駆けてそれを再生するようなケースもあったが、同様に対処すべきである。

8.
議長不信任の動議を無視して議事を進め、高裁まで縺れ込んだケースがあった。裁判では「合理的な理由に基づく動議ではないことが一見して明白なものであったと認められ、これを議場に諮る必要があったものとはいえない」と判決された。但し実務としては、動議が出た場合、1度は議場に諮ることが無難である。

9.
お土産を廃止したことにより出席株主が大幅に減少する事例が見られた。現在お土産を提供している上場会社は8割程度。

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