2011年3月2日水曜日

会社分割の乱用

久しぶりに日経記事について。今週の日経朝刊のMonday Nikkeiに「会社分割の乱用相次ぐ」という記事が出ていた。

会社分割とは組織再編行為のひとつで、今回取り上げられているパチンコ会社は新設分割という手法を取ったようだ。

この新設分割を用いたスキームを簡単に説明すると、パチンコ会社は、自社の優良な事業を分割して新設会社へ譲渡。対価として、新会社の株式を分割会社に割り当てた。この際、新会社へ譲渡されたのは優良な事業のみで、会社の抱える債務は元の会社に残ることとなった。その後、分割会社へ割り当てられた新会社の株式は廉価で第三者へと売却され、元の会社には多額の債務だけが残った。債権者は債権の回収が絶望的となり、裁判へと発展。債権者の勝訴となった。

ここで問題になっているのは、債権者の保護についてだ。会社法では、会社分割を行う際、債権者を保護するため、異議を申し立てる機会を設けているが、これに該当する債権者は(今回のケースで言うと)、新設分割で作られた会社へ債務が継承された債権者だけで、分割会社へ残った債務の債権者は保護されていない。返済原資のない会社に自分の債務は残されても、法的に異議を申し立てることができないのだ。

こう書くと、まるで会社法に穴があるように思えるが、比較的規模の小さな会社分割を行うのに会社に存在する全ての債権者を保護する必要があるならば、会社分割は滅多に使われなくなる。
また、新設分割に際して割り当てられた新会社株式を廉価で売却した行為も、株主であれば取締役は代表訴訟を起こされるが、債権者からは善管注意義務違反を追及されることもない。

誰がこのスキームを発明したのかは知らないが、よく考えたなと感心してしまった。

なお、この会社分割における債権者保護については改正される見込みが大きいとのこと。まぁ、当然だろう…。

参考:分割会社の債権者の保護

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