2015年12月21日月曜日

「駅物語」を読み終えた

親友に勧めてもらった本、「駅物語」を読み終えた。



物語の舞台は、最近100周年記念等で話題になった「東京駅」。主人公の若菜(女性)は、かつて(学生時代)に弟が亡くなった際に、東京駅で大勢の人に助けられ病院へ向かった。その後、東京駅の事務員へ就職した若菜は、その時の恩人たちに恩返しをしていく、というのが大雑把なあらすじ。毎日百万人を超える人間が行き来する東京駅で、お目当ての人がそう簡単に見つかるかよ、という突っ込みもあるだろうが、そこは小説ということでご愛嬌。

序盤は正直なところあまり面白くなくて、今一つのめり込めず読むスピードが遅くなったが、後半、特に最後の五章は良かった。それまでの伏線を全て回収しながら、ドキドキの展開、そしてタイトルである「駅物語」のイミ、、、

何げなく利用している駅の駅員の方々の苦労が良く分かった。早朝の始発から夜中の終電まで、ただのクレーマーみたいな客に罵倒されたり酔っ払いに勢いで殴られたり・・・。駅員さんを見る目が変わったのは、この本を読んで良かったと思える変化だ。

海外の鉄道を乗ると時刻遅れは当たり前で、日本の鉄道の時刻表通りの運行は素晴らしいという話は良く聞くが、その苦労の一部を垣間見ることもできた。電車の定時運行も、ある意味、駅員さんたちの起こす「奇跡」なのだろう。100年以上の歴史を持つ東京駅の表紙カバーイラストもとても美しいので、その点でもお勧めの一冊だ。

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