2010年9月22日水曜日

MBAバリュエーション


昔購入して挫折したMBAバリュエーションを、昨日になってようやく読破することができた。購入したのは数年前に買収防衛策を導入した際に行われた企業分析がきっかけ。PERとかPBRならまだしもEVとかEBITDAという用語は意味不明だった。これは勉強せねばと企業分析では定評のあったこの本を自腹で購入したのだが、予想外に難しい。全く理解が進まないまま、買収防衛策のプロジェクトは終了してしまい、この本も封印することになった。

そして今年、買収防衛策の有効期限が来年の株主総会終了時で切れるため、改めて自社の企業分析を行う必要が出てきた。そこで再び本書を開いたのだが、やはりEVの算出あたりで「???」となってしまい、どうも理解が進まない。今回は時間に余裕があったので、一度本書を離れて財務諸表を読むための基本的な本から勉強を始めて、再び本書を開くと何とか理解できるようになり、苦しみながらも昨日読破。自社の企業価値分析もばっちり出来た。

最も理解に時間がかかったのは、永久還元の定義式。PV=c/r。つまりディスカウントレート(r)が低い程、金融商品の現在価値(PV)は高くなる。2章では、新たにキャッシュフローの成長性(g)が出てきて、PV=c/r-gとなる。そして、ディスカウントレート(r)は「無リスク金利(国債利回り)+β(株価の変動幅の係数)×株式市場プレミアム(国債よりどれだけ高い利回りか)」で求められる。この式を用いて、ITバブルの頃のネットベンチャー企業の「PER200倍」を分析していた。(※参考「金融日記」)

これから本書を読む人へのアドバイス。本書は企業価値算定の入門書とはいえ、財務諸表の知識ゼロでは理解するのは難しいので、財務が苦手な人は先に財務諸表の読み方を浅めに勉強しておくことお勧めしたい。数学の知識はほとんど要らないが、それでも多少計算する必要はあり、なぜその数字になるのかイマイチ理解できないときは、実際に手を使って計算してみると意外に理解が進んだりする。また、EBITDA等のアルファベット用語に関しても、一度本書を離れてwikipediaなどで調べてみると「!」となったりする(実際に僕は何度も閃きが起こった)。特に肝となるのは基礎編の第1章から第3章。ここさえしっかり理解できれば、後の応用編はそれほど難しくはない。

ちなみに僕が持っているのは2007年4月の版だが、数箇所誤植と思われる部分を発見した(小数点の抜けとか、括弧の範囲がおかしいとか)。逆にいうと、そういう部分に違和感を覚えるくらい読み込めば、本書の理解も一歩進むと思う。

なお、本書の筆者である森生明氏は、ゴールドマン・サックス等を経て、現在は日本の四大法律事務所である西村あさひ法律事務所で顧問を務めるM&Aのプロ。企業買収をテーマにしたNHKドラマ「ハゲタカ」の監修者としても有名だ。


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