2020年2月13日木曜日

2020年の為替(ドル円)の見通し

今日は為替の勉強会(セミナー)に参加したので、その時のメモをまとめておく。

テーマは2020年の為替相場見通しだったが、見通しよりグローバル経済の現況に関する説明がほとんどだった。内容を一言で言い表すならば、「2020年も世界景気は総じて厳しい一年になりそうなので、為替(ドル円相場)は年末にかけて徐々に円高に進むだろう」となる。

<5つの金融市場のテーマ>

1.米中問題
2020年1月15日に米中「フェーズ1」の合意がなされた。これは包括的な貿易協定の第一段階であるが、合意の内容の内、サービスの輸入(金融サービス他)等、中国側で履行が容易でない分野もあり、今後の展開には注目が必要。また、これをもって米中対立問題は一旦小休止したものの、終結したわけではなく対立は続いており、米中関係は引き続き不安定であると言える。なお、フェーズ1合意の中に「協議による二国間の紛争解決の枠組み」が含まれたため、今後はトランプ大統領のツイッター1つで関税が変わるようなリスクは低くなっただろう。

2.米国大統領選挙
2020年最大の注目イベントであり金融市場に与えるインパクトも大きいと予想するが、11月3日の大統領選挙の結果は現時点では見えない。目先としては民主党候補が誰になるかが注目点であり、急進左派であるサンダース氏やウォーレン氏が台頭すれば、相場はリスクオフ(円高)で反応する可能性がある。

3.中国の景気動向
中国の景況感は米中貿易摩擦の激化緩和の期待から、2019年末から持ち直しの兆しが見られたが、新型コロナウイルスの感染拡大により悪化することが見込まれている。但し、コロナウイルスによる影響は現時点では未確定であらゆる指標には盛り込まれていない(盛り込むことができない)。中国景気が世界全体の需要に及ぼす影響は大きく、注意が必要。

4.五輪後の日本経済
東京五輪は日本経済の成長率を一定程度押し上げる見込みだが、新型コロナウイルスの影響が長引けば経済効果も不透明感が増してくる。消費増税に関しては、負の所得効果がキャッシュレス優遇の無くなる2020年7月から出てくると見られており、消費水準の回復は遅れるだろう。こうした中でも日銀の追加緩和余地は乏しく金融緩和策は期待ができない。

5.BREXIT(英国)
ひとまず2020年1月31日に英国はEUを正式に離脱。今後はFTA(自由貿易協定)等の交渉に注目。

<ドル円相場の見通し>

2020年:後半にかけて世界的な景気鈍化を予想。徐々に円高圧力が高まるだろう。2020年末には1米ドル=108円と予想。
2021年:米国景気鈍化がより鮮明となり、FRBが利下げを実施。これにより円高が加速。2021年末には1米ドル=103円と予想。

但し、現時点では、新型コロナウイルスによる影響は織り込まれておらず、中国経済が悪化すれば世界経済も低迷し、上記予想より円高が進むと予想される。

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2 件のコメント:

  1. このブログ面白いから更新してほしいゾ

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    1. 匿名さん
      コメントありがとうござます。現在、色々あって更新が滞っていますが、また時間ができたら書きたいと考えています。気長にお待ちくださいm(_ _)m

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