2015年11月9日月曜日

整形と偏見

「整形」に対して偏見を持っていたが、とある事案に接して、少し考え方が変わったので、そのことについて書き留めておきたい。


(以下、体験談ですが、若干フェイクを入れています)


数年前、大卒の新入社員として入社した彼女は、お世辞でも美人とは言える容姿ではなかった。出っ歯に上を向いた鼻、吊り上った目、細長い顔、男性陣の中で付いたあだ名は「キツネさん」。性格は明るく仕事もテキパキできたため、周りから悪い評価を受けることはなかったものの、9割以上が男性の職場ですら、誰も彼女を食事やデートに誘おうとはしなかった(あくまで推測)。いくら需要が大きくとも、商品に価値がなければ売れない、恋愛市場とは残酷なものだ・・・とか考えたりしていた。


そんなある日、小さな事件が起きた。


彼女が大きなマスクをして出社してきたのだ。

最初は風邪かと思っていたが、その翌週、マスクを取った彼女の口は、出っ歯ではなく綺麗な並びの白い歯に変わっていた。あれは矯正ではなく、抜いて人工の歯を入れたのだろうと社内で噂になった。

またある日、再び彼女は大きなマスクをしてきた。今度はどこを改造したのだと思ったら、鼻だった。先端の上向いた鼻が、落ち着いた普通の鼻に変わっていた。もうこの時点で、最初の顔を思い出すことは難しくなった。入社したときの社内広報誌に掲載された顔写真を見直したら、かろうじて面影は残っていた。

そして、最後は長期連休の後だった。吊り上った目が、整った二重の目に変わっていた。もう、この時点で彼女はどちらかと言うと「美人」な顔になっていた。

その後、彼女は化粧やメイクに凝るようになり、パーマを当ててふわっとした髪型になると、もともと痩せていて小顔であったこともあり、彼女は誰もが認める美女になった。整形前の顔をよく知る僕や同僚はどう接していいのか複雑なところがあったが、僕は残念ながら整形後の彼女に話しかけられると、以前は何も感じなかったのに、かなりドキドキしてしまった。錯覚なのだが、声まで「キツネさん」とは別人のように聞こえたのだ。やはり、恋愛は半分以上「顔」でするのだと改めて認識した。

事情をよく知らない他支店の男性社員から彼女は非常に人気が出て(当たり前か)、社員交流を目的とした社内行事などでは人気者になっていた。新入社員歓迎会の時、唯一の女性社員だったのにスルーされていたあの女の子だと知ったら、彼らはどう思うのだろうか。

そして先日、中途採用で入社してきた長身イケメン社員(要するに過去を一切知らない)と結婚して、彼女は寿退社していった。来月には子供が生まれるらしい。整形費用は総額でいくらかかったのか知る由もないが、コストに見合ったリターンは十分生まれた成功事例と言えるだろう。もちろん、整形に失敗して余計変な顔になるリスクもあっただろうが(芸能人の失敗事例がよく話題になる)、彼女はそのリスクを受け入れたのだ。ただ、詳しいところは分からないが、あの顔を見る限り、それなりにちゃんとした機関(病院)で、それなりにお金を払えば、大抵の整形は上手くいくのでないかと思った。

結婚と出産が女性の幸せの全てだとは思わないが、整形することによってそれが手に入りやすくなるというのであれば、それはそれでいいのではないかと思った。

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