2014年1月7日火曜日

株主総会白書2013年版

この連休中に唯一読んだ法務雑誌が、商事法務の「株主総会白書2013年版」である。普段の旬刊商事法務は難しくて読んでないという人も、株主総会担当者であれば、総会白書くらいは目を通すものである(自分がまさにそう)。特に自分の会社の株主総会の実態と比較しながら読めば今後どう自社の株主総会をどう変えて行くのか、方向性が見えてくると思う。

以下、個人的に気になった部分をメモ。(結構多い)

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・企業サイドにおいて、取締役会の構成員のダイバーシティ促進という観点から社外取締役と並行する形で、女性の登用に関する検討が進められている。

・2013年6月総会の特徴の一つは、機関投資家の総会決議に与える影響力が増したこと。

・定款変更の株主提案には「役員報酬の個別開示」など、会社によっては40%近い賛成票が集まった会社もあった。

・株主総会のお土産は「総会終了時(途中退出含む)」に渡す会社が多い。しかし、お土産目当てで来場する株主も多いため、受付時に渡してしまうことも合理性があると思われる(受付時にお土産を渡せば、入場せずに帰る株主もいるので、会場スペースの確保にもなる)

・株主総会のビジュアル化を実施している会社は8割を超え、前年比でも増加している。株主も今やビジュアル化は当たり前という認識で、ビジュアル化を実施していない会社でビジュアル化の実施を求める意見も出されている状況。

・招集通知にミスが見つかり、WEB修正等で対応したとしても、総会当日に特段の対応をしていない会社がそれなりにある

・WEB開示を実施した場合、対象書類を総会当日どう対応したかについては、「特段対応していない」という回答は1割にも満たず、現状は総会当日に何等かの対応を行う会社が圧倒的に多くなっている。対応方法はWEB開示箇所の書類の「備置」が最多。

・株主資格を有しない代理人の入場に関しては、弁護士代理人の入場を拒否できるという裁判例も出たことで、実務は代理人制限を厳しく運用する方向に収斂してきた。一方で、専門家や通訳など株主のサポート役の入場にはある程度寛容にしている会社もある。

・総会議事録には質疑応答の全てを記載することまで求められておらず、議事の経過に影響のないものについては会社の判断により記載の程度を適宜選択することが可能。

・臨時報告書提出以外の方法で議案に対する賛否の議決権数を開示した会社は37.3%で昨年に引き続き増加。具体的な開示方法は「臨時報告書をHPに掲載」が最多。

・役員株主の議案賛否の意思確認については、議決権行使書用紙に賛否を記載してもらい回収する方法が最多。

・株主総会後に株主に発送する、いわゆる「事業報告書」の名称は「株主通信」としている会社が増加している。

・利益供与防止策としては「役員等に対する研修」が増加している。

・退職慰労金制度廃止に伴う代替措置としては、「株式報酬型ストック・オプション」が、資本金の大きい会社を中心に定着しつつある。

・総会での環境対策として「クールビズ総会」を実施する会社の割合は頭打ちとなった。

・一般のクレーマー株主が増加しており、プロ株主でないだけに扱いも難しい。

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特に最後の「一般のクレーマー株主」というのが世相を表しているというか、モンスターペアレンツならぬモンスターストックホルダーか(何か病名みたいだな・・・)。

今年もそろそろ次の株主総会へ向けた会合やセミナーが始まってきた。特に会合ではトンチンカンなことを言って恥をかかないよう、しっかり株主総会関係の勉強していこうと思う。もちろん英語も・・・。

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