2014年1月15日水曜日

商事法務№2018

今日も頑張って商事法務を読んだ。今号のメインは松井教授によるインサイダー取引規制問題の解説だ。

もうかなり昔の話になるが、経済産業省の幹部職員が自分の関わった企業の組織再編に関して、当該企業の株式を妻名義で売買していたという事件があった。このインサイダー事件は、霞が関の幹部がやっていたということで情けない話だという感想しかなかったのだが、実は裁判で争われている争点があった。

それは、重要事実の公表である。当該株式の売買は日経新聞によるすっぱ抜き等で重要事実が既に一般にリークされた後に行われており(但し会社は否定発表)、それが「公表」になるのかという点が争点の一つとなった。結論からいうと、重要事実の公表にはならないと判決された。現行法は会社の重要な情報が会社による公式の発表によることなく徐々に市場に流布するという公表方法を認めていないのだ。松井教授は、これは過剰規制にはならないかと問題点を指摘していた。

ただ、本件は経済産業省の幹部職員というエリート中のエリートが行った株式売買であり、まさかインサイダー取引規制について知らなかったわけではあるまい。また、わざわざ妻名義の口座を使ったことも、悪いことを行っているという認識の下で取引をしていたことが分かる。弁解の余地はなく、しかるべき罰を受けて当然であろう。

ただ、こういった事件を見る限り、株式取引という世界は全く公平な市場などではなく、一部の情報を握った人が高い勝率で勝てる世界なのだということが分かる(こんなのは氷山の一角で、実際は摘発できていないインサイダー取引など腐るほどあると思われる)。よって、NISAとかドル・コスト平均法とか言われても、株の世界に一般庶民は手を出さない方が良いと思う。


話がずれたが、会社の情報を開示する立場として認識すべきは、日経の朝刊一面に自社の非公開情報が載っていたら、すぐさま何らかの開示を行わないと、社内でもじもじしている内に頭の緩い役職員が自社株売買を行って、インサイダー規制で捕まるというリスクがあるということだ。肝に銘じておこう。

<参考>


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