2009年8月27日木曜日

契約書チェックのポイント

現在療養中ながらも、何か勉強しようと「ゼロからわかる契約書のつくり方」という新書を買ってきたのだが、難しすぎて挫折した。この本でゼロから契約書なんか作れるかと思ったのは僕だけだろうか。とりあえず、去年会社のお金で受講した契約書入門講義のレジュメが残っていたので、それをまとめた。


―契約書のチェックポイント―

1.契約書の相手方が誰か
・交渉相手と契約の相手が違う場合がある(交渉は親会社、契約は子会社等)
・相手方の業界での立場や資金力を確認する(公官庁相手の場合等)

2.強行法規に抵触していないか民法91条
・当事者の意思に関わらず適用される法律に違反する内容は無効になる。
(独占禁止法における公益に関する規定、借地借家法における経済的弱者保護の規定、利息制限法における利息の上限、労働基準法における労働者に不利な契約の禁止、等)
・公序良俗に反する事項を目的とした契約は無効になる(民法90条
※参考:強行法規

3.主語、述語、目的語、句読点が明確になっているか

4.日付、社名、代表社名等の誤字脱字はないか
・僕の会社はこのレベルの間違いが多い。

5.下記のキーワードの条項は必ずチェックする

・危険負担
当事者に責任のない事由によって目的物が滅失した場合、その目的物の買主(債権者)に売主(債務者)は代金を請求できるのか、という問題。
民法では、特定物の売買契約締結後に、当事者に帰責事由がないのに、目的物が滅失した場合は、その危険を買主が負担すると定められている(民法534条1項)が、通常の売買契約においては、危険負担の時期を目的物の引渡時や検査合格時に変更している。

・所有権
所有権とは、物を全面的に支配する機能であり、法令の制限範囲内において、どのようにも使用、収益、処分することのできる権利。
所有権の移転時期について、民法では当事者の意思表示によって移転することを明らかにしている(民法176条)。よって、一般的には、所有権の移転時期を明らかにする規定を設けている。

・瑕疵担保責任
瑕疵担保責任とは、売買の目的物に隠れた瑕疵があったとき、売主が負担する責任のこと。
契約書上にこの規定が存在していなくても、民法等の法律により瑕疵担保責任は認められている(民法570条)。よって、瑕疵担保責任の規定を削除しただけでは、売主は瑕疵担保責任を負担することとなることに注意。また、瑕疵担保責任は任意規定であるため、当事者間で期間を長くする等の変更は自由にすることができる。

・期限の利益の喪失
期限の利益とは「期限が到来するまでは債務の履行を請求されない」という利益のこと。
民法では買主が破産手続開始の決定を受けたとき等は期限の利益を喪失すると定められている(民法137条)。しかし、この規定だけでは買主の経営状況が悪化し、不渡り手形を出したような場合でも機動的な債権は回収できない。よって、買主に信頼関係を壊すような行為があった場合に期限の利益を無くす規定を契約書に設けることが一般的である。

・遅延損害金
債務の支払を遅延した場合の損害金について定めた規定。
債務者にとって複数の遅延損害金付債務があるときは、債務者は利率の高い債権から順に払っていく傾向があるといわれているため、高額な遅延損害金利率を定めておけば、売主有利となる。民法や商法の規定では、遅延損害金は年5~6%にしかならないため(民法419条404条商法514条)、それ以上の利率を定めるのが一般的だが、高額すぎる遅延損害金は公序良俗に違反(民法90条)して無効となる可能性が高いため注意が必要。


<追記>
最近、非常に使いやすい契約書作成の書籍「ビジネス契約書の見方・つくり方・結び方」を発見したので、追記で紹介しておきたい。レベルは初級者向け。様々な形式の契約書を条文ごとに平易に解説してくれている。もっと法的にテクニカルな契約書を作成したいならば本書では足りないのであろうが、最低限チェックすべき項目は綺麗に網羅されているので、手元に置いておけば安心だ。契約書作成の過程で学んだことを書き込んでいけば、より使い勝手が増すだろう。




このエントリーをはてなブックマークに追加

0 件のコメント:

コメントを投稿