2016年6月3日金曜日

田児賢一「それでも僕にはバドミントンしかない」を読んで

Yahoo!ニュースでケン坊こと田児賢一に関する記事を見た。本人からの独白ということで、話題になったカジノ通いに関しても言及しており、まだ読んでいないのであれば、リンク先から読んで頂きたいのだが、個人的に胸が痛いのが、ヤフーのコメント欄やはてなブックマークで寄せられている辛辣なコメントだ。

   

  • やっぱり反省してないみたい
  • スポーツマンとして失格
  • 救いようない人だ
  • これはひどい
  • バカなんだと思う

僕自身、田児賢一に関しては、違法カジノ問題を受けて「もともと人間性に大いに問題があった」とブログに書いたりしていたので、強く言える立場ではないのだが、もうそろそろ彼を叩くのは止めてやって欲しいと願う。

違法カジノにのめり込み、借金まで背負って、会社(NTT東日本)はクビ、しかもマイナーなバドミントンスポーツ選手というお笑いネタにしかならないのは、よくわかる。

しかし、田児賢一は、間違いなく、ここ数年間での世界における日本男子バドミントンの地位を上げた。マイナーなので知らないと思うが、2014年のバドミントンの国別団体戦トマス杯では、男子が初優勝、その最大関門とされた中国戦のトップシングルス対決で、当時世界ランク1位の諶龍(チェン・ロン)を撃破したのは、この田児賢一だ。上記の「告白」では、自分の栄光時代を全日本総合で6連覇した時だと言っているが、そうではない。このトマス杯で諶龍に勝った瞬間が、田児賢一の栄光の瞬間だったのだ日本中のバドミントンファンにとって、どれだけあのトマス杯優勝が嬉しかったことか、誇らしかったことか。

バドミントン・マガジン増刊 トマス杯優勝・ユーバー杯準優勝記念号 2014年 07月号 [雑誌]
  • 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
  • 発売日: 2014/06/23
  • メディア: 雑誌

また、オリンピックメダル候補にまでなった桃田賢斗を成長させたのも田児賢一の存在が大きいのは間違いない(全日本総合で桃田は田児にコテンパンに負けていた)。そのような伝説的、英雄的存在が、一気にスポーツ界における間抜けな悪者とされ、相変わらず叩かれているのを見ると、心が痛む。違法カジノ問題が発覚するまで、田児賢一の存在すら知らなかったような連中から大いにバッシングを受け、会社は解雇、これまでそれ一本でやってきたバドミントン界からは事実上の追放。一方で桃田は謹慎期間が解除された先日から、練習を再開したらしい(NTT東日本をクビにもなっていない)。

もう、田児賢一のバッシングは十分じゃないか。

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