2014年4月2日水曜日

インサイダー取引防止規程の改訂

今年の4月1日から新たなインサイダー取引規制が施行され、これに対応して、上場会社は自社のインサイダー取引に関する規程を見直すかどうか対応を迫られることとなった。

今回の改正のポイントは「情報伝達行為」と「取引推奨行為」が新たに規制された点だ。「情報伝達行為」の禁止は一般的なインサイダー取引防止規程には織り込み済であるものの、「取引推奨行為」の方をどうやって対応するか、つい最近まで悩んでいたのだが、先日参加した東証主催のセミナーで規程文案が紹介されていたので、参考までにここで紹介しておきたい。


(取引推奨行為の禁止)
役職員は、当社の重要事実を知った場合、他人に対し、当該重要事実が公表される前に当社株式の売買をさせることにより、当該他人に利益を得させ、または当該他人に損失の発生を回避させる目的をもって、当該売買をすることを勧めてはならない。


「役職員」などの用語定義は会社によって異なるので、その辺りは微調整が必要だと思われるが、さすが気鋭の弁護士が作成しただけのことはあり、そのまま使うことが可能な規程文章である。更に本セミナーでは規程改訂の稟申をする際の理由文章案まで書いてくれてあり、上記規程文例と稟申案だけでこのセミナーの元は十分取れた。(ここまで親切なセミナーは初めて)


<稟申事由>
 いわゆる公募増資インサイダー問題に端を発する平成25年改正金商法が平成26年4月1日より施行される。改正法においては、上場会社等の未公表の重要事実の情報伝達・取引推奨行為に係る規制が導入され、規制違反行為は刑事罰及び課徴金納付命令の対象となる。当社の「インサイダー取引防止規程」において、当社の役職員による業務上必要のない「情報伝達行為」は既に規制しているが、「取引推奨行為」については明示的に規制していない。そこで、「取引推奨行為」についても明示的に規制すべく、「インサイダー取引防止規程」を改訂したい。

ほとんどの会社は既に何らかの改訂を行っていると思うが、もしまだ何もしていない人がいれば参考にしていただけると幸いである。

なお、今回の法改正では、これらの他、上場投資法人等の発行する投資証券等の取引へのインサイダー取引規制導入や上場投資法人等に関する重要事実の新規追加も行われているが、これらは金融機関を除けばほとんどの会社は対応不要であると思う。

また、東証では「内部者取引防止規程事例集」を一般に公開()しており、今回の改訂を行う際は本書を参考に他の文言等も一緒に見直してみるのも良いかもしれない。


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