2009年10月16日金曜日

戦略的なIRとは

久しぶりに証券取引所主催のセミナーに行ってきた。内容はIR(インベスターリレーションズ)について。
効果的にIRを行うためには社内の活性化が必要だから、社内報を毎週出しましょうとか無茶な要求も多かったが、講師のプレゼンがなかなか上手くて、どちらかというと話し方等の方が参考になったセミナーだった。以下に講師の主張をまとめておく。


・時価総額の低い会社(100億円未満)のIR (Investor Relations)の環境は、アナリストの取材が少ない、取材があったとしてもレポートがあまり出ない、株式売買の出来高が低い、IRの費用対効果が見えない、という状況が少なくなく、これに当てはまる場合は、IR活動に関する認識を見なおすべきである。

・従来、IR活動といえば、経営者とIR担当者が株主や投資家に向かって経営情報を発信していくことが、目的であり役割であった。しかし、現在では企業の社会的責任が重視され始めており、全社員(グループ会社を含む)が社会全体、ステークホルダー全体に対して会社の情報を発信していく、SR(Social Relation)が重視され始めている(注:通常はSRといえばShareholder Relationsのこと)。SRを行うためには経営陣やIR部門だけではなく、全社員が会社を語れる社内対策が必要。自社の強みを同じ内容で社員が言えるために、社内報等を通じた社内コミュニケーションを大事にするべきだ。

・また、IRの重点軸は企業の時価総額や株主構成、事業内容によって変えるべきだ。時価総額の低い会社であれば機関投資家より個人投資家に向けてメッセージを発するべきであるし(一定の時価総額以下の会社には投資しないルールを設ける機関投資家は多い)、株式売買の出来高が低ければ、まずは株式売買回転率を高める施策を取るべきだ(出来高が低いと大口投資家が買いたくても買えない状況となる)。

・更に、機関投資家やアナリスト向けの情報と個人投資家向けの情報の表現方法は、当然変えるべきである。財務情報は変動率の大きな項目にはコメントを付けたり、グラフを付ける、また専門用語を極力控えるなど、見やすく分かりやすい表現を心がけたい。

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