男子シングルス
NTT東日本の桃田賢斗がいればメダルの公算が高い種目だったが、例の違法カジノ問題で残念ながら出場停止となってしまった。なお、この件に関しては、かつてブログで書いたので、気になる人は読んでみて下さい。代わって今回出場する佐々木翔(トナミ運輸)は、ここ直近の国際大会の結果を見るに、贔屓目に考えたとしても上位入賞は難しいと思われる。それより、純粋なバドミントンファンとして気になるのは、中国の林丹(32)マレーシアのリー・チョンウェイ(33)の動向だ。20代の頃から常に国際大会の決勝で激突してきた二人だが、オリンピックの舞台ではリー・チョンウェイが何度も辛酸をなめさせられている。年齢的も最後の挑戦となるであろう二人、やはり歴代最強の林丹が勝つのか、天才リー・チョンウェイが長年の雪辱を果たすのか、ここが最大の見どころだろう。そして最近の国際大会で上位入賞をしているデンマークのビクター・アクセルセンとヤン・O・ヨルゲンセン、林丹の後継者、諶龍などの若手選手が、この二人の争いにどう絡んでくるのか。もちろんここに日本のベテラン選手、佐々木翔も入って優勝を争うわけだが、私の予想では、やはり林丹が優勝するような気がする。年齢的に身体能力は低下しているだろうが、最近の国際大会の動画を観るに、大して本気を出していないように見えるのだ。このオリンピックで金メダルが取れれば、文字通りバドミントン史上最強選手として恒久的に名前が刻まれるのは間違いなく、きっと林丹は本気を出してくる。何度も再生したくなるようなスーパープレイを期待したい。
(男子シングルス以外はあまり思い入れがないので、以降はあっさりです。)
女子シングルス
まず、女子シングルスは日本ユニシスの奥原希望。2015年はヨネックスオープン、全日本総合、スーパーシリーズファイナルといった名だたる大会で優勝を飾り、男子の桃田賢斗と並んでメダル候補者への名乗りを上げた一人である。今年2月の日本リーグでは大堀彩(当時NTT東日本)にボコボコに負けて、どうなるのかなと思っていたが、その後の全英オープンでは優勝、7月上旬に行われた全日本実業団バドミントン選手権(福井大会)では、同じくリオオリンピック女子シングルスに出場する山口茜に勝ちきっており、精神的にも良い感じでオリンピックを迎えられるのではないだろうか。今回のバドミントンオリンピック日本チームの中では、後述の女子ダブルスの次にメダルの期待値が高いのが奥原希望であり、昨年末のスーパーシリーズファイナルの時と同じ勢いで行けば、優勝できるかもしれない。とは言え、近年の女子シングルスは上位選手の実力が拮抗しており、世界選手権優勝のキャロリーナ・マリン(スペイン)、ロンドンオリンピック金メダルの李雪芮(中国)、2016年のスーパーシリーズで3大会連続優勝したラチャノック・インタノン(タイ)など、誰が優勝しても別に驚きはしない面子が揃っている。その中でも、僕が優勝するのではないかなと思っているのは、ラチャノック・インタノン(タイ)だ。元々才能の塊のような選手だったが、やはり直近で最も勢いのある選手は彼女であろう。お手本になりそうな綺麗なフォームにも注目して欲しい。
もう一人の女子シングルス出場選手は10代の天才プレイヤー山口茜(再春館製薬所)。先日の全日本実業団では決勝で奥原希望に敗れはしたものの、鋭いドリブンクリアーに角度のあるロブなど、僕からは山口茜の方が勢いがあるように見えた。また、昨年末の全日本総合の準決勝でほとんど何もできずにやられてしまった佐藤冴香(ヨネックス)には雪辱しており、こちらも勢いがあるように感じる。奥原希望には苦手を感じているように見えるので、最大の関門は奥原か。
男子ダブルス
男子ダブルスは日本ユニシスの早川賢一と遠藤大由。現在、日本で一番強いダブルスといえば早川・遠藤というイメージが定着しているが、意外なことにオリンピックは今回初出場。大束・舛田(トナミ運輸)や佐藤・川前(NTT東日本)のように、シングルスで日本を制した一人がダブルスに転向したわけではなく、特に早川は早い段階からダブルスの専門選手だったので、まさにダブルス専門のペアによる五輪挑戦である。彼らの集大成がこのリオになるのだろう。昨年末の全日本総合では準決勝で園田啓悟・嘉村健士(トナミ運輸)に負けてしまったが、その園田・嘉村ペアを、7月の全日本実業団でボコボコにして倒しているので、オリンピックへの入り方としては最高の状態だと思う。特に、遠藤の状態がとても良いように見えた。日本最強のダブルスとして頑張ってきてほしい。女子ダブルス
今回のオリンピック(バドミントン)で、日本人として唯一「世界ランク1位」で臨むのが、この「タカマツ」こと髙橋礼華・松友美佐紀(日本ユニシス)ペア。世界ランク1位なので、実力通り順当にいけば金メダル確実だが、その分プレッシャーも強いだろう。7月の全日本実業団の決勝戦では、格下のペア相手にかなりギリギリまで追い込まれて辛勝していたのは、その影響か。メダルが有力視されているにも関わらず、オグシオの出場した北京五輪の時より騒がれていないような気がするのは、やはりビジュ・・・いや、僕はシングルスで全日本総合に出場していた頃の昔から、松友さんの、あの感情を表に出さない表情と脱力感が大好きです。試合では、高橋選手の後衛からの強烈なスマッシュも迫力があるが、松友選手が前衛で魅せるクレバーな球捌きにも注目したい。ちなみに、前回のロンドン五輪銀メダルの藤井・垣岩ペアは青森山田高校、この高橋・松友は聖ウルスラ高校でのペアだった。高校時代からのペアでオリンピックに臨むというのは、一体どういう心境なのだろうか(悪い意味ではなく)。
松友美佐紀選手
混合ダブルス
実は混合ダブルスは全く興味がない・・・ではなくて、あまり知らないので、詳しくは書けないのだが、ここ最近の国際大会の結果に鑑みるに、日本のバドミントンオリンピック選手の中では、おそらく一番メダルは遠い存在ではないだろうか。とりあえず思うことは、あの数野健太がオリンピック出場か、と。それも、早川賢一との男子ダブルスではなく、混合ダブルスで・・・。バドミントンの名門高校、延暦寺学園比叡山。全国制覇から長い間遠のいていた名門比叡山に現れた彗星が、この数野と早川だった。特に数野のシングルスは、初めて見たとき、同世代とは頭一つ抜けているように思えた。
今回シングルスで出場する関東第一の佐々木翔といい、この比叡山の数野健太といい、高校時代にバケモノかと思うくらい強かった彼らが、こうして世界最高峰の試合に臨んでいく様は、感慨深いものがある。と同時に、このリオオリンピック、関東第一の佐藤翔治・佐々木翔は佐々木がシングルス選手で、佐藤がコーチ、比叡山の数野健太・早川賢一が別々のダブルスで出場するとは、彼らがインターハイで活躍していた頃、誰が予想できただろうか。未来とは分からないものだと思う。
ペアの栗原文音選手も頑張って下さい。
さて、日本全国のバドミントンファンの皆さん、頑張って代表選手を応援しましょう。
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