2008年5月17日土曜日

ハーミーズのセミナー

かつて、ハーミーズ(欧州における最大級の年金基金)のセミナーに参加した時に作成したレポートが残っていたので、ここに書き残しておく。なお、2005年のときの話なので今とは少し違う点があるが、そのまま掲載することにする。

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敵対的買収防衛策導入に対する考え方

①役員定数の削減→賛成
②基準日の変更を可能とする→賛成
③ライツプランの導入→反対
④授権資本枠拡大→増資目的であれば賛成

反対の理由は、買収防衛策は買収価格を上げるが、企業価値を高めることはないため。また買収防衛策の導入によって経営陣の危機意識を低下させ、経営の透明性が低下する恐れがある。ハーミーズは、日本の企業の優位性は、長期の時間が必要な「もの造り」であると考えて、長期保有目的で株式投資をしているが、そうした防衛策導入によって経営が不透明になることによる企業価値の低下を恐れている。敵対的買収が成功した例は世界的にもほとんどなく、日本では2004年に敵対的買収が成功した例はないのに、日本は過剰反応しすぎではなかろうか。


上場を見直す必要性

「株式を上場する」ということは常に買収されるリスクが存在しているということの認識が少ない。更に株式会社である以上、株主への経営説明責任が生じる。500億円で株式の51%を握れるのに、1,000億円近い資産がある会社が存在するが、そういう会社こそ怪しい投資ファンドに狙われている。市場で資金を集める必要のない会社は、上場しているメリットが少ない。コーポレートガバナンスへの取り組みと、上場している意味の再考が必要である。

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