2008年4月5日土曜日

内定乱発

今年新聞や雑誌でも書かれているように、新卒就職市場は最高に売り手(学生)市場だ。昨年もすごかったが、今年は去年よりももっと売り手市場になっている。

現に、僕の会社は3月中から内定を乱発している。メーカーだからか知らないが、人事部の対応を見ている限り、理系出身の学生はほぼ全員内定を出していると言っても過言ではないだろう。その上、懇親会やら交通費、宿泊費付の工場見学まで、もう至れり付くせりだ。僕の頃とは全く扱いが違う・・・などと愚痴っても仕方ないな。

で、当然これだけ早く内定を出すのだから、「内定辞退」が発生する。僕の会社は規模も知名度も技術力も給料もそれほど高くないのに、内定者に対してはなぜか強気で、内定承諾を保留したいという学生に対して「ウチは併願は認めていない、即決しろ」と迫る。学生も「まだ、他にも会社を回ってみたい」という理由で断る。そりゃあ、もっと他の会社も受けてみたいだろう。だってまだ4月ですよ。僕は人事部ではないので正確は数字は分からないが、おそらく内定を出した8割以上の学生から辞退されているのではなかろうか。

今日も人事が不在の時間帯に僕が電話を受けて、2名の学生から内定辞退の伝言を受けた。二人とも、旧帝大クラスの理系学部出身者だ。ここ数年で学生と企業の採用に関する力関係は完全に逆転してしまったし、その上、僕の会社は、ブランドも技術力も給料も他の会社に比べて魅力となる部分がほとんどない。だったら、もう、「欲しい」と思った学生には内定を出して、5月末まで待ってみて、それでもこの会社を選んでくれるなら、というスタンスで臨んだ方がいいのではないか。面接を行って、内定を出して、辞退されるの繰り返しでは、人件費の浪費としか言いようがない。

それにしても、今年の学生は本当に恵まれている。ただ、羨ましがったところで、自分の未来には何の影響もない。当時、優良企業に内定がもらえた学生以上のスキルを持たないと、ステップアップの転職なんて、とてもじゃないができないだろう。今の学生は今の学生、僕はもう学生ではないのだ。とにかく、頑張ろう。

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