2014年12月24日水曜日

インサイダーと適時開示

インサイダーと適時開示に関するセミナーに出席してきた。最新の事例や制度変更(大幅な変更はない)など紹介があり、日経新聞でしか法改正情報を入手しない僕にとっては有益な内容だった。忘却録として、気になった点及び参考データ等をメモに残す。

・「コメント開示充実の要請」と「注意喚起制度の導入」
東証は、いわゆるスクープ報道等、不明確情報への対応として、これまでの「開示注意銘柄制度」に代えて、「コメント開示充実の要請」「注意喚起制度の導入」を行った。
【コメント開示充実の要請】
上場会社に関する所謂「すっぱ抜き」等、不明確情報が発生した場合、東証担当者は上場会社に対して、不明確情報の内容について真偽等の照会を行う。内容次第では、上場会社は真偽を明らかにするコメント開示を要請されることがある。
【注意喚起制度の導入】
投資者の投資判断に重要な影響を与えるおそれがある不明確情報が発生し、東証がその周知を必要と認める場合、投資者に対して、注意喚起を行う。注意喚起は東証ホームページ掲載等の方法により行われる。

・インサイダー取引規制に関するQ&A
金融庁のHPに掲載されている「インサイダー取引規制に関するQ&A」に、約6年ぶりに問2、問3が追加された。追加の背景は、インサイダー取引規制との関連で、上場会社の役職員等が持株保有に過度に慎重になっているとの指摘によるもの。
【問2】
問2では、「社内ルールが過剰な内容になり、結果として自社株式売買を委縮させることがないような配慮」が求められた。そもそも、上場会社はインサイダー取引規程を置くことが金商法上求められているわけではない(但し、会社法上の取締役の善管注意義務には含まれるという議論はある)。社内規程の設置は役職員による「うっかりインサイダー」を防止するためのものであって、意図的なインサイダー取引を防ぐことは不可能。したがって、重要事実を知る可能性のない従業員も含めて、全従業員の自社株売買を一律に禁止又は制限するような過剰な規程は見直しをするべきである。
【問3】
問3では、「会社関係者」が未公表の「重要事実」を知った後に売買等を行ったとしても、当該売買等が「重要事実」を知ったことと無関係に行われたことが明らかであれば、インサイダー取引規制によって抑止を図ろうとする売買等には該当しないと明記された。その具体例として「重要事実が株価上昇要因となることが一般的に明白な時に、当該株式の売付けを重要事実の公表前に行うこと」が挙げられているが、本事例には注意が必要である。例えば業績の上方修正の開示をしても、その上方修正が株価に折りこみ済みの場合、上方修正開示後に株価が下がることは、多々あるからである。したがって、重要事実を知る立場の役職員が自社株式を売買する場合は、個々で判断せず、必ず事前に事務局に相談してもらう体制を整えるべきである。

・役員持株会の問題点
役職員によるインサイダー取引を回避するため、持株会を通じて株式を購入している会社が多いが、特に役員持株会の場合、初回の買付けはインサイダー取引になる可能性が高い(担当者は皆分かっているが思い切って実施している?)。これを回避するには、従業員持株会加入者は役員になったら自動的に役員持株会に移行する、役員になった時点で自動的に一定の金額で加入しなければならない等、自動的な加入が可能となるような社内ルールを設けるべきである。

・適時開示とインサイダー規制
適時開示の時期とインサイダー規制上の重要事実決定時期に差異が生じるケースがある。例えば合併を行う場合、合併の実現に向けて準備に入った段階で、既に重要事実(インサイダー)が発生しているとみなされるが、適時開示を行うのは取締役会決議を経てからとなる。したがって、その間の情報管理が重要となる。

・その他
・インサイダー取引の摘発件数は、会社関係者による件数より情報受領者による件数の方が継続的に上回っている。自社の情報管理体制が適切か、コンプライアンス教育は適切か見直すべきである(自分がインサイダー取引をしなければいいとだけ考え、情報を漏えいすること自体が問題という意識がないケースが多々ある)。
・日本取引所自主規制法人のHPでは、インサイダー取引に関する社内研修用資料の提供や、相談窓口を設けているので、是非活用してもらいたい。

<参考>
いわゆるスクープ報道と適時開示を巡って(大和総研)
「インサイダー取引規制に関するQ&A」の追加について(金融庁)
刊行物・パンフレット(日本取引所自主規制法人)

2014年12月3日水曜日

教育にはカネがかかる

怪しげなタイトルのビジネス書の感想などを書いている暇があれば勉強しろやという話なのだが、実のところを最近は全く勉強ができていない。

所属する職場にて、所謂「心の病」で相次ぎ2人ほど人員が抜け、その分のしわ寄せが管理職の僕に振ってきたことが主な原因だ。
(名誉のために言っておくと、その病の原因に僕は一切関係がない)

引き継ぎも無しに突然会社に来なくなった人たちの業務なので、手探りで進めるしかなく、だんだんやる気がなくなってきて、それが私生活にも影響を及ぼしている。

しかし、このままではいかん、いかんのだ。と、この堕落した現状を打破する対策として、今朝電車の中で思い付いたのが、再びどこかの英会話スクールに通う案だった。ここまで勉強に対してやる気が消失している現在、外部の強制的な力がないと、勉強しない。過去に2度も英会話スクールに通いつつ、結局行かなくなった経験を棚に上げ、早速会社のPCで英会話スクールを検索してみた。小学生ですら英語が必須となるようなこのご時世、都市部では英会話スクールは乱立しており、学校を探すこと自体は左程難しくはなかった。が、如何せん料金が高いのだ。TOEIC対策コースの場合、CMをバンバン打っている某有名スクールで入学金込24万円。いやいや24万円て僕の月手取りの大半を消し飛ばす金額だ。マイナーなスクールですら10万円超えだった。

そう、教育にはカネがかかるのだ。

そして、なぜ英会話スクール通いを2度もギブアップしたのかということを思い出した…。そう、カネが勿体ないと思ったのだ。

スクール通いの案は却下、独学で何とかやっていくしかないか。きっと、こういう語学スクールというのは、会社から金をもらって通う以外はコスパが割に合わないと思った。

2014年12月2日火曜日

「トリアージ仕事術」を読んだ

10の仕事を1の力でミスなく回す トリアージ仕事術」というビジネス書を買って読んでみた。

タイトルが聞いたことのない言葉(トリアージ)だったことと、筆者の経歴である医者・経営者に惹かれて購入してしまった。

読みやすい文章で書かれており、1時間程度で読めた。表題の「トリアージ仕事術」は仕事の優先順位の付け方の考え方として面白いとは思ったけれど、本書の半分以上は疲れの取り方とか、手帳の使い方とかが書いてあり、単に筆者がやっている業務習慣を読まされてもなと思った。

ちなみに、飲み会で酒を飲んだ後はスポーツドリンクを飲むのが良いらしい。僕は飲みすぎた日には、学生の頃からサントリーの烏龍茶を飲むと決まっているのだが、これは逆に身体に良くないらしい。丁度忘年会シーズンなので、早速試してみたい。

定期的にこういったビジネス書を買って読んでは「読む意味があまりなかった」とコメントするだけになってきているな・・・。

2014年11月10日月曜日

ランウォークを履こう

ハゲタカの主人公、鷲津政彦が劇場版で履いていた革靴「スコッチグレイン」。管理職にもなり、そこそこ給料をもらえるようになってきたので、何かいい靴でも買ってみようと手を出したのが、この革靴だった。

百貨店の店員曰く「最初は固いけれど、だんだん足に馴染んできて、凄く履き心地の良い靴になる」とのことだったので、とにかく固かったけれど、その言葉を信じて半年ほど履き続けた結果…足に馴染むどころか、足の指の痛みが増大した。更に、両足の小指と薬指の間に魚の目のようなものできて、歩くのが苦痛なレベルにまで痛みが悪化してしまった。

これはまずいと、スコッチグレインを購入したのとは別の百貨店に行き、靴の販売店員に相談したところ勧められたのが「ランウォーク」である。スポーツシューズのアシックスの革靴ということで、最初はどうなのかなと思ったが、まず見た目が悪いデザインではなかった。そして履き心地の良さは抜群で、店員曰く「靴擦れは絶対に起こらない」とのこと。当初購入を予定していたR社の靴より、若干値段は高かったが迷わず購入して通勤に履いてみたら、とにかく楽だった。もうこれまでの圧迫感は何だったのかというくらいの履き心地。

それから間もなくもう1足購入し、今は2足のランウォークを交互に履いて通勤している。また休日でも、ちょっとお洒落をしたいときはこの革靴で合わせることもできる。

ネットで評判を見る限り、スコッチグレインもファンが多いようで、店員が説明してくれたように「だんだん足に馴染んできた」と書いている人もいた。しかし、僕のように合わない人には合わないので、そういう人が無理に履き続けても、小指を痛めるだけである。そういう場合は、さっさと見切りをつけて(高い靴なのでその判断が難しいが)、ランウォークのような楽な靴を選択するのも有りだと思った。



2014年11月4日火曜日

悩み多き年頃

気が付けば11月。10月はたったの一度も更新をしていなかった。

今年の10月は、おそらく今後の僕の人生の中で忘れられないであろう出来事があり、それに加えて仕事もそこそこ忙しかったので、更新する余裕がなかった。非常に悩んで、色々な人に相談もしたけれど、結局解決には至らず、悩みに悩んだ結果、「もうどうでもいいか」という結論になった。

ずっと悩んでいたって仕方がないしね。

その一件を経て、以前より転職したい気持ちは強くなったので、これまで通りチャンスがあれば果敢にチャレンジしていきたい。

年末まで、あと少しだ。今年の目標は何だったけ。


2014年10月17日金曜日

中小企業の社員の特徴

数年中小企業で働いて、そこで働く社員の特徴が見えてきたので、書き残しておく。(かなり偏っている書き方をしているのであまり真に受けないで下さい。)

会社で働く社員を総合職、一般職、派遣社員の三種類に分類して考えたい。


■総合職

・原則、男。一般職、派遣社員が死んでもしない残業(代)が大好き。中には定時中はひたすら喫煙ルームでのタバコと雑談に費やし、定時後から重い腰を上げる社員もいる。勿論、目当ては残業代。月の上限の時間まで残業しないと勿体ないと考えている。
・たまに遅刻する。寝坊を理由に半日有給を取ることもザラ。もちろんその分、残業する
時間のルーズさは小学生並み。10時開始のミーティングに10時に行っても、まだ誰もいないのは常識。10時過ぎからノロノロ動き始める。
冷蔵庫にはビールや焼酎が常備されており、定時後にそれを飲み始める。口癖は「飲まないとやってられない」。
・共通するのは所謂「低偏差値」クラスの大学を卒業していること(大卒の場合)。日東駒専クラスか、それ以下が大半を占める。口癖は「学歴より実力」なのに、決まって高卒や中卒の社員を馬鹿にする。喫煙ルームの話題はそれが多い。たまに京大卒の凄い役員がいると思ったら、間違いなくメインバンクや取引先(大企業)からの天下りか出向者。
活字が苦手。日経新聞を読んでいるのは管理職が数名、平社員では誰も読んでいない。
・朝はスポーツ新聞か週刊少年ジャンプを読んでいる人間が多い。朝の話題は十中八九プロ野球。サブプライム問題等、経済には全く無関心。
・何かの電話で「よしん管理って地震のことですか」と聞いていた。
未婚率が高い。
・基本的に入社したくて入っているわけではないので、愛社精神は薄い。優秀な若手ほど早く見切りをつけて転職していく。
・平均年齢が45を越えている。これから会社を支える30代が極端に少ない
・強烈な年功序列で、どれだけ無能社員でも次長までは出世するというのが社内での定説。実際、次長が七名もいて所属員の半分以上を次長が占める部署も存在する。
・海外に顧客がいるにもかかわらず、英語のできる社員は少ない。会話どころか英文を読むことすらできない管理職もザラにいる。彼らは一般職や派遣社員に英語対応を任せる。新入社員の履歴書に書いてあったTOEICのスコアは300点。


■一般職

・女。一応正社員であるが、仕事は派遣社員と同じことをやっている。あとはボーナスの存否くらい。
・自分よりアホな大学を出ている総合職も多いので、基本的に総合職の男を見下している。大半は30歳までに他の会社の男性の結婚して去っていく。たまに社内結婚もあるが、非常にまれ。
・育児休暇制度や産休制度はあるが、こうした制度を使う女性は稀で、ほどんどが寿退社する。
・朝に挨拶するのは、入社後半年まで。その後は年上だろうが役員だろうがシカトする。
・結婚退職するために、必死に合コンへ参加する。合コンの日の化粧の気合の入り方は尋常ではない。一方で社内の男にはデートに誘われても、給与体系・年収・将来性等全てが分かっているので、まず相手にはしない
・出勤は定時ギリギリで、たまに遅刻する。ただし、遅刻しても堂々としており、その姿には清々しさすら感じる。
何があっても定時には退社、たまにフライングするツワモノもいる。
・定時終了間際に仕事を依頼すると平気で断る。キレる者もいる。
・仕事内容は派遣社員に毛が生えた程度。仕事に対するモチベーションは絶対零度より低い。
・暇になったら堂々とFacebook(一昔前はmixi)などSNSをしている。仕事そっちのけで資格の勉強(簿記とか秘書検定とかTOEICとか)をする者もいる。当然、そのコピーは会社のコピー機を使う。
有給は9割以上消化。ある意味ホワイト企業。
・え、何でこんな奴が…?という容姿(不美人という意味)をしている者は、十中八九得意先か自社の管理職の娘さんがコネで入社
・年齢層には大きな幅があって、上記に当てはまるのはほぼ20代である。30代の人口は少ないが、40歳を越すと、また人口は増える
・40代以降の女性は全員独身
・いくつだろうが、親と同居(パラサイト)している。中には、一人暮らしをしながら、親から仕送りを受けているツワモノも存在する。
・給料は少ないが、すべて自分で使えるため、意味もなくブランド物をたくさん所有している。会員制のスポーツクラブにも通う。


■派遣社員

・女。基本的に正社員一般職と同じ仕事を担当する。
・年齢は圧倒的に30代後半から40代が多い。そして大半がバツイチ(という噂)。
・中小企業なので、若い派遣社員はやってこない。
・一般職と違い、遅刻はまずしない。かなり朝の早くから出勤する者もいる。しかし、やはり定時には帰りたい。定時5分前にはパソコンの電源を落として帰宅準備を開始する。
・一人暮らしが多く可処分所得が少ない。そのため、一般職のように意味もなく高級ブランドを持っている割合は低い。
・そこそこのレベルの資格(簿記2級とか英検準1級とか2級建築士とか)を持っている人が多い。
・素直な分、一般職の連中の数万倍は使えるというのが総合職の常識。
・「派遣社員なめんなよ」というオーラを出している者もいる。


上記はすべて僕の会社の社員に当てはまるというだけで、決して他の中小企業はこんなんではないと信じたい。

何かの本に「人生は一社目で決まる」と書いてあったが、まさにそうなんだろうな。

<関連エントリー>
三流大学で偏差値70…?
零細企業の社員の特徴

2014年9月12日金曜日

細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!



数学が専門なのに、経済のわかりやすい本でもベストセラーを連発することで有名な細野先生の本。「数学思考力」ということで数式がバンバン出てくるのかと思いきや、全く出てこなかった。よって、僕のような文系人間が読んでも大丈夫。

ニュースのバイアスやデフレの本質の解説は目から鱗だった。この本で一番筆者が言いたかったことは、ニュースの本質のつかみ方だ(たぶん)。素朴な疑問を持ってニュースを読んで、その疑問に仮説検証を行い、本質を掴むと。たとえば「この国の国債の金利は高いから魅力的な金融商品だ」という情報に対しては、金利が高い=魅力的な金融商品ということは正しいが、そもそも国債の金利がなぜ高いのか?という疑問を持つことが必要。高い金利を付けないと資金が集まらないから高いかもしれない。では、なぜ普通の金利では集まらないのかというと、デフォルトする可能性が…てな感じかな。

この素朴な疑問はニュースを問わず生活全般に必要な力だろう。たとえば、「絶対に儲かる」という株の購入を勧めてきた証券マンがいたとして、ではなぜ証券マンは自分で買わないのか。ネットでは「簡単に儲ける方法を特別○○万円で」というサイトがあるが、その方法を他人に教えずに自分だけ稼げばいいのに、なぜわざわざ高額な金額で他人に売るのか。

というか、いつも先物取引の強引な営業電話かけてくる、ちょっと日本語のおかしいお前ら!お前ら、一体何なんだよ!「将来に不安ありますよね」って、お前の将来よりかは遥かに明るいわ!!

…ちょっと脱線してしまった。

とにかく、細野先生の本が好きな人は読んだ方がいいと思う。ただ、タイトルは「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本」というより、「ニュースの本質を読む力を付ける本」とかの方がぴったりだと思った。

2014年9月2日火曜日

株主総会を振り返って

コンサルティング会社の担当者から、今年の株主総会のレビューについて話を伺った。後日、同業者で会合があるため、その際に話題に遅れないようにもまとめておく。一応、最後には参考データのリンクも貼ってあるので、興味のある方は読んで下さい。



・外国人株主の持株比率が過去最高
個人株主数が減少した一方で外国法人等の株式保有比率は30%を超え、過去最高であった昨年度を上回った。これにより、ISSやグラスルイスといった議決権行使助言会社の影響力が一層高まることとなった。

・社外取締役の導入が進む
社外取締役を設置していない場合に株主総会で説明義務が生じる改正会社法の成立が見込まれたことが影響し、社外取締役の新規導入が進み、東証1部全体で7割の企業が社外取締役を設置したことになった。今年新たに導入した企業は新日鉄住金や任天堂など354社。
なお時価総額上位100社(2014年8月末時点)では複数名選任が8割を超えている。東証一部全体では複数名選任は34%に留まる。

・お土産の廃止
株主総会へ来場した株主へ配布するお土産を廃止する企業が増えてきている。廃止の理由(本音)は経費削減であるが、建前として使われる理由は「地方にいて参加できない株主もいるため、公平性に配慮した」である。

・日本版スチュワードシップ・コード
日本版スチュワードシップ・コードについて、国内外の127機関が受け入れを表明した。本コードの受け入れは機関投資家の裁量とされているが、受け入れた場合は投資先企業との「建設的な対話」(エンゲージメント活動)や議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つことが求められている。一部の生命保険会社などでは、たとえ政策投資先であったとしても、定めたガイドライン通りの議決権行使を明言している。

・コーポレートガバナンス・コード
政府が掲げた成長戦略を受けて、金融庁と東証は「コーポレートガバナンス・コード」の策定を進めており、その内容には独立した社外取締役を複数名の設置促す項目が盛り込まれている。今年になってようやく社外取締役を1名導入する企業が増えてきたのに、矢継ぎ早に2名以上を求めるような施策が打たれるのはなぜか。これは、安倍政権が現在の株高によって上手く運営されていることに起因しており、今日本株を一番買っている投資家=外国人株主が好む施策が、これまでにないスピード感で進められている。

・招集通知のグッド・プラクティス
経済産業省より、招集通知のグッド・プラクティス事例の調査結果が公表された。良い招集通知の事例として挙げられている会社はオートバックスセブン、三井物産、小松製作所、資生堂などである。

<参考>
社外取締役「複数」8割 100社調査、兼務が倍増(日本経済新聞)
東証上場会社における社外取締役の選任状況(東京証券取引所)
日本版スチュワードシップ・コード(金融庁)
コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議(金融庁)
株主総会の招集通知のグッド・プラクティス事例の調査結果を公表します(経済産業省)

2014年8月31日日曜日

レッドブル・ボトルタイプ

今日は特にすることもなかったので、昼前から図書館に行って勉強してきた。最近の図書館は自習禁止となっているところが多く、この図書館も「自習禁止」とでかでかと張り紙がされていたが、最近は来る人が減ったのか、その張り紙が消えていた。

割と気合を入れて、以前から取り組んでいる「TOEICテスト公式プラクティス リーディング編」の本番形式テストを実施する予定だったけれど、実践問題の復習を終えた頃から猛烈な腹痛に襲われ、敢え無く明日以降に後回しすることになった。明日からは当分まとまった時間を取ることはできないそうにないので、Part毎に分割して実施するしかないだろう。


ちなみに、最近勉強するときに飲んでいるのがレッドブルのボトルタイプだ。ずっとボトルタイプが欲しいと思っていたので、初めてコンビニで見かけたときは、迷わず購入した。

レッドブルがヒットして以降、類似品のエナジードリンクが雨後の竹の子のように乱発されたが、やはりレッドブルを飲んでしまうのは、やはり味だろう。とりあえず市販されているエナジードリンクは大体飲んだが、甘すぎたり、味が薄かったりとどれもレッドブルを超えているとは思えなかった。事実、新発売として登場しても数週間で棚から消えたエナジードリンクも少なくない。

レッドブルの良いところは、飲んだ直後に猛烈にやる気が出るところで、悪いところは、その効果が切れたとき、寝ることすら辛いくらいのけだるさが反動として襲ってくるところだ。それと、他の類似品と比べて少し割高である。

と言いつつも、イマイチ気が乗らないときの必需品なので、これからも適度にお世話になっていきたいものだ。


2014年8月30日土曜日

Keepaが便利な件

アマゾンで頻繁に買い物している人なら気づいていると思うが、アマゾンの価格は、モノによっては結構変動する。できれば安い価格の時期に買いたいが、当然ながら毎日価格の変動をチェックするのは結構手間だ。

そこで僕が最近活用しているツールが、google chromeのアドオンのKeepaだ。(調べてたとろこfirefoxにもあるみたい)

これをインストールすれば、アマゾンで販売されている過去の価格をグラフで可視化することができ、今の値段が高いか安いか、もしくは価格が変動するのかしないのかが一発で分かる。

更にこのシステムで優れているのが、価格を指定して、それ以下の価格になった時点で通知するメールサービスだ。

例えば、価格の推移グラフで過去1年分の価格チェックし、その期間の最安値時点でメール通知するようにしておけば、かなり安く買うことが可能だ。実際に僕はこの方法で、色々なものをかなりの安値で購入できている。

購入を急いでいないけれど欲しいものがあれば、この方法を実践してみてもらいたい。


<追記>

たまに起動しなくなることがあるので、その対策方法を追記しておく。

amazonのページを何回更新してもkeepaの価格トラック表が出てこないようであれば、まず、他のブラウザで試してみよう(chromeを使っているならfirefoxでやってみるということ)。

これでも動いてないようであれば、keepa側のトラブルだと思われるので、回復するのを待つしかない。

もし別ブラウザであれば動いているのでれば、一度keepaの拡張機能を削除して再インストールしてみることをお勧めする。私の場合は、それで元に戻った。

アマゾンを多用している人にとっては、このサービスは必須中の必須なので、末永く利用させてもらいたいものだ。

2014年8月29日金曜日

ハゲタカ アルバート・クラリスのセリフ

以前、ハゲタカで一番好きなシーンを紹介したが、今回は2番目に好きなシーンを紹介したい。というか、紹介しようと思っていたのだが、英語が何を言っているのか分からなくて、解読するまで結構時間がかかった。

第一話、ホライズン・インベストメントワークス本社において代表のAlbert Claris(アルバート・クラリス)と鷲津政彦との会話だ。

僕の英語力程度で聞き取れたのは、以下の通り。



You've been with our company for 5 years.
You closed 8 bills collecting over 2 billion dollars in investments.



Your average annual rate of return is 28%, and you have a great track record with buyout.



As you know, since the initiatives of the US government paid off.




The Japanese financial market has finally started emerging from its period of isolation.



Japan is now a gold mountain, and I say the time is ripe.



Our investors want to inject ample funds into Japanese markets to reap the rewards.




We'll give you five years.
Make us proud.




Buy Japan out!


この最後の「Buy Japan out!」てセリフで一気にこのドラマに引き込まれてしまった。
まだ見ていない人がいれば、是非。


ハゲタカ DVD-BOX
ポニーキャニオン (2007-07-18)
売り上げランキング: 3,544

2014年8月28日木曜日

無風状態

昔から時間がある時は前倒しで仕事を進めるようにしているのだけれど、最近はあまり仕事が無くて、気が付けば3週間先の(見通しの付いている)仕事まで終わってしまった。もちろん、書類整理等も終了しており、過去のセミナー資料等も必要な分は全てスキャナ+OCRで自炊してしまった。

こうなってしまうと、いわゆる「無風状態」で、朝から「さて、今日は何をしようか」という状態になる。こういう暇な時にこそ、勉強するのが本物のビジネスマンなんだろうけれど、例の「商事法務」に強い睡魔を感じてしまうため、いけないと思いつつも気づいたらやってしっているのが、「ネットサーフィン」である。特にヤバいのがwikipediaで、気づいたら1時間くらい過ぎていることなどザラだ(これは分かる人には分かると思う)。

近年何かとコンプライアンスに厳しい上場会社なので、当然社内のシステム部門からログは取られており、システムの連中からそろそろ警告のメールが来そうで怖い。何か業務に関連する本でも探そうかな。



2014年8月27日水曜日

マックで勉強

最近、夕飯はほどんどマクドナルドで食べている。

身体には良くないというデメリットは重々理解しているものの、一連の鶏肉問題等で客が減って空スペースが以前より広くなったこと、携帯のクーポン等を上手く活用すれば500円以内でセットが食べられる(味はともかく腹は満たせる)ことが理由だ。

特にこの夏は暑いので、冷房の効いた空間で食事と勉強しながら長時間過ごせるメリットも大きい。

また、行きつけのマックはオフィス街にあるので、周りは僕と同じように一人で勉強したり、本を読んだり、スマホゲームをしているサラリーマン風の人が多く、一人でいても何の違和感もない。

ただ、そこはやはりマクドナルド、低所得者の巣窟。時折、所謂「DQN」と呼ばれる見るからに頭の悪そうな若者たちが集団で占拠し、騒ぎまくっている時があるが、そういう時は運が悪かったと思うしかない。また、マックのような騒がしい環境でしか時間を過ごせない己自身の人生の結果でもあると感じる。今の抜け出したいのなら、勉強するしかないのだ。

ちなみに、これだけマックを食べまくっているのだから、たいそう太るだろうと思われそうだが、実は体重は減りつつある(本当)。常に飲み物はコーヒーのブラックにしているので、飲料からのカロリーはゼロだが、ポテトとバーガーはがっつり食べているので、ハイカロリーなのは間違いないはずだが。


マックの食品って、やはりヤバいのではないだろうか・・・。そう思いつつも、今日もマックで勉強しに行くのであった。

契約書チェックのポイント

現在療養中ながらも、何か勉強しようと「ゼロからわかる契約書のつくり方」という新書を買ってきたのだが、難しすぎて挫折した。この本でゼロから契約書なんか作れるかと思ったのは僕だけだろうか。とりあえず、去年会社のお金で受講した契約書入門講義のレジュメが残っていたので、それをまとめた。


―契約書のチェックポイント―

1.契約書の相手方が誰か
・交渉相手と契約の相手が違う場合がある(交渉は親会社、契約は子会社等)
・相手方の業界での立場や資金力を確認する(公官庁相手の場合等)

2.強行法規に抵触していないか民法91条
・当事者の意思に関わらず適用される法律に違反する内容は無効になる。
(独占禁止法における公益に関する規定、借地借家法における経済的弱者保護の規定、利息制限法における利息の上限、労働基準法における労働者に不利な契約の禁止、等)
・公序良俗に反する事項を目的とした契約は無効になる(民法90条
※参考:強行法規

3.主語、述語、目的語、句読点が明確になっているか

4.日付、社名、代表社名等の誤字脱字はないか
・僕の会社はこのレベルの間違いが多い。

5.下記のキーワードの条項は必ずチェックする

・危険負担
当事者に責任のない事由によって目的物が滅失した場合、その目的物の買主(債権者)に売主(債務者)は代金を請求できるのか、という問題。
民法では、特定物の売買契約締結後に、当事者に帰責事由がないのに、目的物が滅失した場合は、その危険を買主が負担すると定められている(民法534条1項)が、通常の売買契約においては、危険負担の時期を目的物の引渡時や検査合格時に変更している。

・所有権
所有権とは、物を全面的に支配する機能であり、法令の制限範囲内において、どのようにも使用、収益、処分することのできる権利。
所有権の移転時期について、民法では当事者の意思表示によって移転することを明らかにしている(民法176条)。よって、一般的には、所有権の移転時期を明らかにする規定を設けている。

・瑕疵担保責任
瑕疵担保責任とは、売買の目的物に隠れた瑕疵があったとき、売主が負担する責任のこと。
契約書上にこの規定が存在していなくても、民法等の法律により瑕疵担保責任は認められている(民法570条)。よって、瑕疵担保責任の規定を削除しただけでは、売主は瑕疵担保責任を負担することとなることに注意。また、瑕疵担保責任は任意規定であるため、当事者間で期間を長くする等の変更は自由にすることができる。

・期限の利益の喪失
期限の利益とは「期限が到来するまでは債務の履行を請求されない」という利益のこと。
民法では買主が破産手続開始の決定を受けたとき等は期限の利益を喪失すると定められている(民法137条)。しかし、この規定だけでは買主の経営状況が悪化し、不渡り手形を出したような場合でも機動的な債権は回収できない。よって、買主に信頼関係を壊すような行為があった場合に期限の利益を無くす規定を契約書に設けることが一般的である。

・遅延損害金
債務の支払を遅延した場合の損害金について定めた規定。
債務者にとって複数の遅延損害金付債務があるときは、債務者は利率の高い債権から順に払っていく傾向があるといわれているため、高額な遅延損害金利率を定めておけば、売主有利となる。民法や商法の規定では、遅延損害金は年5~6%にしかならないため(民法419条404条商法514条)、それ以上の利率を定めるのが一般的だが、高額すぎる遅延損害金は公序良俗に違反(民法90条)して無効となる可能性が高いため注意が必要。


<追記>
最近、非常に使いやすい契約書作成の書籍「ビジネス契約書の見方・つくり方・結び方」を発見したので、追記で紹介しておきたい。レベルは初級者向け。様々な形式の契約書を条文ごとに平易に解説してくれている。もっと法的にテクニカルな契約書を作成したいならば本書では足りないのであろうが、最低限チェックすべき項目は綺麗に網羅されているので、手元に置いておけば安心だ。契約書作成の過程で学んだことを書き込んでいけば、より使い勝手が増すだろう。


2014年8月26日火曜日

担当者の交代

先日、株主総会関係での取引先の担当者から異動の挨拶があった。9月1日付での異動で、地方都市の支店へと行くとのこと。

入社以来ずっと同じ部署だったので、新天地への異動はわくわくしている、といったようなことを話してはいたものの、じっくり話を聞いてみると、これまで担当してきた業務とは全く畑違いの部門で、少しの不満と、大きな不安を感じているとのことだった。

今回の異動は左遷ではないだろうけれど、今の仕事にやりがいを感じていたのであれば不満があるだろう。僕自身、一度出向を味わった者として、何となく本人の言いたいことは分かった。ただ、会社に雇われているサラリーマンである限り、与えられた場所で全力を尽くす以外に道が開けることはないと思う。それで道が開ける兆しがないようであれば転職するべきではないだろうか。

僕も、いつ再び出向を命じられるか分からないけれど、今は株式法務の実務と知識を蓄えるのみ(それと英語)。


さて、先日スタートした「TOEICテスト公式プラクティス リーディング編」は、最後の付属模試を除く問題全てを3周解いており、この調子で頑張れば今週末には付属模試に進める予定である。今回は、ただ漠然と繰り返し解くのではなく、part6は1問30秒(3問であれば1分半)、part7は1問60秒(5問であれば5分)という制限時間を設けて解くようにした。時間内に解けなければ、それは間違いとカウントする。こうすることで、解くスピードは上がっている(はず)。

それと、全体を通じて気づいたのが、仮定法の倒置に全く気付けなくなっているということだ。「なんだこの文章は」と思った文章はどれも仮定法の倒置で書かれてある文章だった。気を付けたい。

余談であるが、某サイトによると、問題集1冊終えたら何かご褒美として買うものを決めておくと、ほどほどのインセンティブになって良いらしい。さて、何買おうかな。

2014年8月19日火曜日

今日は飲みに行ってきた

今日は定時後に他部署の部長に飲みに誘われて行ってきた。

昔は社内の人から飲みに誘われても、自分の時間が無くなるだと思って何かと理由を付けて断ることが多かったけれど、最近、特に年上の人からの飲みには余程の事情がない限り行くことにしている。

なぜなら、僕自身も管理職になり、若い社員と飲みたい、それも仕事と全く関係のない部署の人間と飲みたい、と思うことが多々あり、そういう時に「はいはーい!」と気持ちよく快諾してくれると結構嬉しいものなのだ。もちろん断られると(顔には出さないけれど)凹む。
そういう心理を利用して、本当は行きたくないんだけれど戦略的に飲み会には参加している若手社員も存在すると聞く。僕も、この歳になって、そういう姿勢も仕事を進める上では大事なんだなと分かってきたわけだ。

今日は、結局〆のラーメンまで全てご馳走になってしまった。おなか一杯です。くだらないアイドルの話ばかりで無駄な時間だったけれど、これもコミュニケーション。ご馳走してもらったことには感謝。

明日からまた英語の勉強頑張ります。

2014年8月16日土曜日

前言撤回!

昨日ブログで、「TOEICテスト公式プラクティス リーディング編」が簡単すぎたと書いたが、今日「実践問題」に進んでみたところ、十分難しくて、結構な量を間違えてしまった。よって、「簡単すぎる」という表現は訂正します・・・。

Part5に該当する問題はUnit別に8問用意されているが、特に8問めは結構ひねられていて、リーディングスコアが400点くらいある人でも、多少は間違えてしまうのではないかと思う。

さて、今日も地元の図書館で大学受験生と思われる若者たちの隣で勉強をしてきたが、必死に勉強している彼らを見ると(必死にしていない奴もいるが)、こちらも頑張らねばと思わされることと、僕自身の大学受験時代を思い出して、普段の3倍くらいは勉強できたと思う。

次回9月のTOEIC公開テストには申し込みが間に合わなかったので、次回は10月の受験になるけれど、なるべく休日は図書館に通って集中して勉強するように頑張りたい。


国際ビジネスコミュニケーション協会
発売日 : 2014-07-19

2014年8月15日金曜日

TOEICテスト公式プラクティス リーディング編

今日は特にすることもなかったので、最近発売されたTOEICの公式問題集である「TOEICテスト公式プラクティス リーディング編」を買ってきて、早速取り組んでみた。以前購入したTOEIC公式の「TOEICテスト 公式問題で学ぶボキャブラリー」は使い勝手が悪すぎて、途中で放り投げたが、本書はその点を反省しているのか、紙面等は使いやすくなっている(ように思える)。

Part5,6,7がそれぞれ分野別に分けられて全12unitあり、各unitは最初が語彙セクション、その語彙が使われたトレーニング問題と実戦問題で構成されている。最後の仕上げ用として1回分の模試が付いていて、トータルすると300問くらいのリーディング問題が入っている。

トレーニング問題はスラッシュの入った文章や、音声のダウンロードサービス(ダウンロードサイトはこちら)など、自習にも十分耐えうるように丁寧に作成されている。ちなみにダウンロードできる音声は全ての問題をカバーしているわけではなく、最初の各Unitの最初のトレーニング問題のものだけだ。また、音読用に「通し読み」と「区切り読み」の2パターンが作成されているが、僕の聴いた感じでは、「通し読み」がすでに結構ゆっくり(Part3や4の音声より遅い)なので、「区切り読み」の方はどうしても必要と感じる人だけがダウンロードすれば良いと思う。

さて、このように丁寧に作成されている問題集ではあるのだが、如何せん収録問題が簡単だった。
350~730点程度のスコアの受験生を対象としていると書いてあったので、既に850点以上の今の僕には仕方がないだろう。

公式問題集vol3~5は何回繰り返したかわからないくらい繰り返しており、もうあの本を開くのも嫌な僕にとっては、新しい公式問題集は丁度良い刺激になるので、ボチボチ解いていこうと思う。間違えたら、むしろ抜けている基礎知識が見つかってラッキーくらいで…。

最近、色々あって英語の勉強を全くしていなかったけれど、この本をきっかけに、またTOEICの勉強スタートだ。


国際ビジネスコミュニケーション協会
発売日 : 2014-07-19

2014年8月14日木曜日

マグマ(真山仁)を読んだ



「ハゲタカ」以降、真山仁氏の本は読んでいなかったのだけれど、長期休みができたので地熱発電をテーマとした小説「マグマ」を購入して読んでみた。さすがの文章力と内容で、一気にぐいぐい引き込まれて、1日で一気に読んでしまった。読んでいてまず思ったことは、この人一体どれくらいの参考文献を読み込んでこれ書いたんだろう?ということだ。それくらい地熱発電について詳細に書かれていた。

テーマは原子力と、それに替わるエネルギーとしての「地熱発電」。そもそも、このエネルギー問題については全く知らなかったのだが、この小説で勉強にもなった。特に原油価格が異常に高騰している今、ぜひ読んでおきたい1冊だと思う。

参考:地熱発電

2014年8月13日水曜日

ビジネス実務法務検定試験2級に合格する方法

結構、簡単に合格したので、僕が実践した独学の勉強法をまとめておく。 (ビジネス実務法務検定試験の公式サイトはこちら








・使用問題集と学習時間

▮問題集:ビジネス実務法務検定試験2級公式問題集
▮参考書:ビジネス実務法務検定試験2級公式テキスト
▮日  数:土日が完全に勉強に費やせるなら1か月で十分。僕は同時期に英検も受けていたので、このビジネス法務の勉強時間は実質的に2週間くらいしか確保できなかった。


・公式問題集と公式テキストを買う

まず、本屋さんに行って、上記の本の最新版を買おう。最近の法律は1年でガラっと変わったり新法が成立したりしているので、もし古い本を持っていても買い替えるべき。大抵、行政書士コーナーとか宅建コーナーの近くに置いてある。なければ、アマゾンで購入。2冊で1万円ちょいぐらいかかるが、これ以外は受験料(6,480円)だけでいいので、文句を言わずに買うべし。もし、この資格の合格が2万円を払う価値もないと思うなら受験しない方がいい。

ちなみに、自由国民社などの他社もビジネス法務の問題集を出しているようだけれど、公式問題集は試験主催の東京商工会議所が出版しているので、この公式問題集に質で勝るものはない。公式問題集と同じような問題は本番でも出題される。よって問題集の方は必須。というか、僕は、テキストの方はほとんど使わなかった。


・問題集を分解する

買ってきたら、まず問題集を開く。各分野別問題→各章の解答→直近3回分の過去問→過去問の解答と構成されているが、これは非常に使いにくいので、それぞれバラバラにする。やや力がいるが、無理やり引っ張れば簡単に分解できる。(ただし、これは問題集を綺麗に使いたい人には向かない。その場合はそのまま使って下さい。)
追記:現在の問題集は分野別問題は問題と解説が見開きになっているようです。匿名さんからコメントで情報を頂きました。

・問題集を解きながら覚える

さて、ここから本格的な勉強のスタートだ。まず、分野別問題に挑戦する(過去問とその解答は少しの間封印)。ここで注意点なのだが、バカ正直に選択肢から回答を選ぶのではなく、1問1問に対して○×形式で解いていくこと。空欄挿入問題もなるべく選択肢を見ずに解く。こうした方がトレーニングとしての効果は高いのだ。アウトプットしながらインプットする方が効率もいい。

法律の知識がない人は、最初は全くわからないだろうが(僕もそうだった)、とりあえず持っている知識を総動員して挑戦してみて、そして解答と解説を見る(解説部分を分解していると、使いやすい)。公式問題集の最も優れている部分がこの解説文章で、かなり詳細かつ丁寧に書かれてある。ここの解説を読んでも理解できなかったり、知らない用語が出現したときは、公式テキストやネットで調べる。そして解説ページの余白に書き込んでいこう。

分野別問題は大体6回くらい繰り返せば、全問正解できるようになっているはずだ。ちなみに進め方としては、1回正解した問題はチェックを付けて飛ばして、間違えた問題だけ繰り返していく方法がお勧め。すべての問題にチェックがついたらチェックを消して再度解き直して、とにかく完璧にこなすべし。


・公式テキストは辞書

他のサイトには「公式テキストを読んでから問題集を解きましょう」と説いている人もある。確かにそれが王道スタイルなのだが、公式テキストは分厚い上に文章も堅いので、読んでも頭に何も残らない人が大半だと思う。参考書というより、どちらかと言うと学校の教科書に近いのだ。それに、いきなり公式テキストを読んでも、いったいどこがポイントなのか分からないだろうから時間の無駄である。公式テキストは、わからないことを調べる辞書と思って活用しよう。

・過去問を実施して仕上げ

分野別問題は「もう間違えねーよ」というレベルに達したら、封印していた3回分の過去問を出してくる。そして時間を計って挑戦。こちらも解説が非常に充実しているので、間違えた問題を中心に繰り返し解いて完璧にする。

これだけすれば、十中八九ビジネス法務の試験は合格すると思う(合格率は30%~40%らしい)。人によっては、公式テキストは不要かもしれないが、公式テキストは合格後にも実務等で調べごとに十分使えるので、この際購入しておくことをお勧めする。

・独学では合格は難しい?

ビジネス実務法務検定試験2級は独学では難しいからといって通信講座やスクールに通うことを勧めるサイトもあるが、それはウソ。スクールの広告のためだと思う。分厚いテキストを見たら独学でできるのか不安になるが、問題集を完璧にすればまず落ちないので、スクールや通信講座は不要である。社会人が働きながら取得することも難しくない資格だと言えるだろう。ちなみに、他の専門書やらポケット六法も不要である。念のため・・・。


・ビジネス法務2級って昇進・転職に立つのか

はっきり言って就職や昇格にはあんまり役には立たないだろう。難易度は高くないし、よくある資格ランキングでも真ん中くらいだ。この資格の存在そのものを知らない人も多い。企業の経理部や財務部の社員が簿記を取得するのと同じで、法務部門の人が自己啓発として取得するとかくらいか。ちなみに僕は法務担当なので、法律の資格試験も勉強しているというアピールの意味で取得した。もっと法務分野を極めたいのであれば、ビジネス実務法務1級を目指すべきだろう。こちらは論述試験なので高度な法的知識が求められている。


・実務には役に立つのか

これも微妙だ。実際の法律実務はもっと複雑で、六法全書で条文を読んだり、判例を読んだり、東京大学の教授が書いた専門書を読んだりしてやっと解答(のようなもの)が出るようなパターンが多い。2級で勉強する内容をもう1,2歩踏み込んだところに実務で直面する問題があると思っていい。ただし、全く役に立たないと言っているわけではなくて、ビジネスに関連する法律を広く浅く勉強するには、最適な資格だと思う。


ビジネス実務法務検定試験2級公式問題集〈2019年度版〉

東京商工会議所検定センター
売り上げランキング: 11,614


ビジネス実務法務検定試験2級公式テキスト〈2019年度版〉

東京商工会議所検定センター
売り上げランキング: 13,441

2014年8月12日火曜日

新しい買収防衛策の指針

商事法務№1838に企業価値研究会の発表した買収防衛策の新しい指針が資料として掲載されていたので、それを読んだ。内容に関しては、下記のPDFから確認可能。

近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方(企業価値研究会)平成20年6月30日


さて、この新しい指針の特徴の一つはブルドックソース事件を意識して、買収防衛策発動にあたって買収者に金銭の交付を行うことは強く否定していることだ。金銭の交付に関しては、現時点で弁護士や教授の様々な解釈があり、どれが良いのか正直よく分からなかったのだが、企業価値研究会としては反対ということで、一つの大きな判断基準になりそうだ。

次に、買収防衛策の発動は、株主総会の賛成多数を持って直ちに発動できるものではないとあった。「株主の意思を確認するに当たって取締役会が株主に対する説明責任を果たしたかどうかの他、買収者の属性、買収提案の内容や被買収者の株主構成などの点が買収防衛策の発動の公正性を判断する上で勘案されるべき」とのこと。

また、特別委員会については、特別委員会の勧告内容に従うという最終的な責任は取締役にあると。株主総会の決議を経ようが、特別委員会の勧告があろうが、防衛策を発動する責任は取締役にあるのだから、説明責任からは逃げるなよと言いたいのであろう。

従来の買収防衛策の内容と比較しても、今回の新しい指針で特に変更すべき点はないように思われた。要するに、新しい指針は、それほど奇抜な内容ではなかったということだ。最近の日経新聞は買収防衛策は悪であり、誰もが反対しているかのように書いているが、やや煽り過ぎではないだろうか思う。

今後、買収防衛策を導入する企業が、どういう内容の防衛策を導入するのかに注目したい。


<関連エントリー>
ブルドックソース事件の考察


2014年8月9日土曜日

20代 仕事筋の鍛え方



この本は、今の自分が最も読むべき本だったと思う。というか20代前半までに読んでおくべきだった。(珍しくべた褒め)

主人公の若手サラリーマンの青年の設定が、今の僕に思い切り当てはまるのだ。かくいう僕も、目の前の仕事よりも独立とか転職を考えて、目先のテクニックや資格勉強に走ってしまう。そして、これでいいのかなぁと疑問を持つ。将来が見えなくて、毎日が重い。そこで、この本の著者(コンサルタント)言う。20代はPCでいうマシンの性能を磨く時期だ。他人の四倍努力しなさい、そして「仕事筋」を付けなさい、と。また、努力するきっかけはネガティブなもの(劣等感とか)でもいいけれど、それでは長続きしない。努力を継続するには前向きな「夢」が必要だ、とも書かれていた。

最近の「仕事術」関係のノウハウ本は、どちらかというと楽をしようとか、残業しなうように工夫しようとか、効率性が云々…そういうことを書いてある本が多い中、この本を読んで、安心した。現在の仕事にイマイチ打ち込めないと感じている若手ビジネスマンには必須の本だと思う。

大学生で就職活動をしていた頃から、何がしたいのかがはっきり見えなかったし、就職してからもしっかり考えてなくて、今の転職活動も、理由は「年収」だ。だから努力が続かないのかもしれない。純粋に夢を持たないとな…。

2014年8月6日水曜日

来年の株主総会に向けて

6月末の株主総会が終わり、その後の2大アンケート(と勝手に呼んでいる)商事法務と株懇の調査表の提出も終え、少し株主総会の意識が離れた頃ではないだろうかと思う。
本格的な準備は年末ごろから始まるとして、とりあえず僕が見聞きした今年の株主総会のトピックス的な内容をまとめて紹介したい。


*************************************

1.6月総会の集中日が40%を切る
今年の6月総会の集中日は27日で38.7%、第2が26日(17.9%)、第3が25日(12.4%)、第4が24日(10.6%)。当社の株主総会は第4集中日だった。なお、集中日が40%未満になったのは初のこと。
また、20日(金)が第5集中日(8.6%)だったことから、株主総会が集中する「6月最終週の前週の金曜日」にも開催日のニーズ傾向が見られた。

2.コロワイドの株主総会出席者が最多
今年出席者数が最多だったコロワイドは、招集通知にお土産の内容(クッキー詰め合わせとグループ店舗飲食券3,000円)を記載の上、従来は持参した議決権行使書分だけ株主に渡していたお土産を「株主1名様につき、1つ」と限定する旨を明記した文書を同封したところ、逆にお土産の内容を知った株主が多数出席し、出席者数が大幅に増加することとなった(前年比6,127名増の11,114名!)。

3.セイノーHD等、議案を撤回する会社が増加
会社提案議案が撤回された事例は8件で、昨年から3件増加した。その中で、セイノーHD(西濃運輸の持株会社)は種類株式を発行可能にする定款変更議案につき「安定的な株主基盤の維持」と理由に記載したため、機関投資家からの賛同を得られず、議案取り下げとなった。機関投資家の株主数が増加した場合は、議案の文言(理由)の記載方法や、定款変更は、絶対変更しなければならない部分と、チャレンジ的な変更部分を分けて議案にする等、工夫が必要となるだろう。

4.ストラテジックキャピタルによる株主提案
投資ファンドによる株主提案があった社数は3社(昨年1社)で増加傾向にある。その中でも、最近は旧村上ファンドの経営陣の一人が立ち上げた「ストラテジックキャピタル」が活発に活動しており、今後の動きには注視する必要がある。

5.「業績達成等を行使条件」とするストック・オプション議案
荏原製作所等が付議したストック・オプション議案は、「業績達成等を行使条件」とするものであった。当該内容のストック・オプション議案を付議した会社は5社と少数ではあるものの(昨年は1社)、今後のトレンドとなる可能性はある。

6.社外取締役2名以上設置義務化の可能性
5月に自民党は「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」の制定を発表した。この指針案では、東京証券取引所に上場する会社は、独立性の高い社外取締役2名以上を確保することを求め、確保しない会社には株主総会での理由説明を義務付けるとしている。なお当該義務付けは、会社法ではなく、東証の規則改正で適用される予定。

*************************************


僕が特に気になっているのは「6.社外取締役2名以上設置義務化の可能性」だ。日経新聞で何回か取り上げられている内容なので、知っているとは思うが、これは監査等監督委員会設置会社への移行を暗に示しているのだと思える。日本の監査役会設置会社というガバナンスシステムはもうだめだということだろう。

2014年7月26日土曜日

今、頑張れないヤツは一生頑張れない。


会社の帰り道で、特に電車の中で読む本がなかったので、何か軽く読める本を探して書店に入って発見したのが、この「今、頑張れないヤツは一生頑張れない」だった。

有名な大学受験予備校講師、吉野敬介の本。彼が代ゼミで教えていた頃の受験生が社会人になり、需要があると見込んでビジネス書を書いたものと思われる。

書いていることは悪くないし、吉野敬介を知らない人間が読んでも、面白く読めるだろう。ただ、やはり彼の最初の著書と比べると、勢いがない。「だからおまえは落ちるんだ、やれ!」という本なのだが、こっちのほうが熱い。特に受験生は、こっちの本を読んだほうが、自分の勉強に対するスタンスがいかに甘いかを思い知らされるのでいいと思う。


<関連エントリー>
だからおまえは落ちるんだ、やれ!

2014年7月23日水曜日

株主総会を終えて

株主総会が終わって気が抜けていたら、気づけば7月も終わりに差し掛かっていた感じである。
さて、今月の初旬、株式関係の会社が相次いで挨拶に来社し、その際、今年の6月総会のトピックスを教えてくれた。まとめると以下のような感じだ。

1.社外取締役に関しては、来年施行の改正会社法の影響もあり、事前の大方の予想通り、大半の上場会社が導入に踏み切った。むしろ大規模な会社では、複数の社外取締役を選任する会社が増えてきており、複数選任が今後のトレンドになりそうである。特に日経225企業では7割以上の会社が複数名を導入しているという調査結果もある。

2.招集通知に関しても、無味無乾燥な従来の招集通知から、カラー化までには至らないものの、若干の工夫を凝らす会社が増えた。具体的には、UD(ユニバーサルデザイン)フォントの使用、大型化、表紙及びインデックスの作成である。この程度であれば、作成費用は左程増加せず、より読みやすい招集通知を作成しているというアピールにもなるということで評判らしい。

より詳細な分析は今後出てくるであろうが、現時点ではこんなところであろう。

あと、最近気になった新聞記事は、7月1日に日経に掲載されていた「社外取締役任期制限」という記事だ。これは経産省からの提言で、内容はタイトルの通りで社外取締役に任期を設けたいらしい。最近、会社法の改正に加えてこの経産省提言、要するに役所は自分たちの新しい天下り先候補の創出に躍起になっているに過ぎないのではないだろうか。

会社ガバナンスが緩んだ結果として選任された社外取締役は別として、ほとんどの普通の上場会社にとって、社外取締役というのは割と楽なポジションであるのは間違いがない(傍から見ていての実感である)。月イチ程度の出勤で、そこそこ役員報酬がもらえ、かつ上場会社の取締役という肩書(名刺)が手に入る。しかも、これまでの天下りポジションである顧問とかは、何か後ろめたいものがあったが、上場会社の社外取締役は法定で必要な機関となったため、いるだけで組織に貢献していることとなるため、堂々と会社にいることすらできるのだ。

全て推測の域だが、今後、経産省出身者の社外取締役が増加するかウォッチしておくこととしよう。

2014年7月11日金曜日

ゆうき式逆転発想勉強術―「勉強したくない!」を活用する












セクシー心理学で有名(?)な、ゆうきゆう氏の著書「ゆうき式逆転発想勉強術」を読んだ。

一言で言うなら、とにかく面白い。対話形式で読みやすかったこともあって、一気に読めてしまった。特に大学受験生が読めば絶大な影響力を与えてくれることは間違いない。(大学受験生に限定されたノウハウの紹介ではないが)

細かな勉強法のテクニック(例えばiPodの使い方とか)の記載はなく、気持ちの切り替え方等、心理学的なアプローチが主に紹介されており、それゆえに長く使えるノウハウが満載されている。

特に使えるのが、最初の章に出てくる「ギャンブル勉強法」だ。詳しくは本書を読んでもらえればいいが、この方法を使えば本当に気持ちを一瞬で切り替えられるから怖いものだ。勉強を始めるまでに時間のかかる人や、始めてもすぐに気が散って仕方のない人は、ぜひこの「ギャンブル勉強法」だけでもいいから読んでみてもらいたい。お勧めである。

2014年6月17日火曜日

MBOの失敗(シャルレMBO事件)

MBOとは、会社の経営陣による会社の買収のことである。その中で、有名なシャルレのMBO事件について話を聞いてきたので、ここに書き留めておきたい。


平成20年9月、シャルレの創業家とモルガン・スタンレーが出資して設立した特別目的会社(SPC)により、シャルレの上場廃止を目指した公開買付(TOB)を実施したが、内部告発等があってMBOが失敗に終った事件である。さて、このMBOの問題はどこにあったのか。

事件の流れを追ってみると…

シャルレは平成20年の4月に5ヵ年の中期利益計画を作成しており、これを元に外部専門家(KPMG)に理論株価算定を依頼した。しかし、そこで弾き出された理論株価は創業家の想定していた価格より遥かに高かったため、故意に中期計画の下方版を作成し始めた。その際、顧問弁護士事務所からは反対されたにもかかわらず、強行に下方計画を作成し、無理に安い理論株価を作り上げた。

その後、SPCは公開買付を実施(シャルレ取締役会はこのTOBに賛同)したが、ここで証券取引所にシャルレ側の内部告発が入る。シャルレ取締役会は賛同意見を撤回し、社長は辞任。MBOは失敗に終った。

安く買い叩くために、中期計画の下方版を作成している時点で取締役は株主に対する善管注意義務違反になるし、それも短期間に何度も下方版を作成しているため悪質性は高い。ポイントは最初の中期計画。ここで最初から低い業績予想版を作成しておけば、すんなりMBOは実行されていたのかもしれない。MBOは取締役にとって最高の利益相反取引だと言われるのも、こういう事件を見れば納得だ。

ちなみに、最初にKPMGが算定した株価は1200円前後。その後、SPCが中期計画に細工をした後に実施したTOB価格は800円。現在(平成21年6月)のシャルレの株価は300円前後。今のシャルレはお買い得だということか…(笑)

2014年6月16日月曜日

株主総会の受付業務フロー

仕事がひと段落着いたので、久しぶりに更新。 今回はとりあえず、この前作成した「株主総会の受付業務フロー」を掲載しておこう。受付事務の仕事も楽ではない。


■株主総会の受付業務フロー

担当3名(受付係A受付係B集計係

まず株主への挨拶
「おはようございます」
(受付での第一印象が会社の印象に)

議決権行使書用紙の提示を依頼
「議決権行使書はお持ちでしょうか」


※提示のあった場合・・・<受付係A>が対応

受付で以下の点をチェック
・会社名は合っているか
・本年度の議決権行使書か
・議決権の数の印字はあるか(「ご参考」と標記されている場合もある)
・「インターネットにより既に議決権行使を行った」旨の申出があれば、朱字で「提出済」と議決権行使書用紙に記入する
・法人株主より「委任状」「職務代行通知書」の交付があれば受け取る

「ご出席票」の交付
・「ご出席票(控)」を千切った後、「ご出席票」を交付
・「招集通知」を要望された場合「招集通知」を交付

受付後の処理
・議決権行使書用紙(株主総会出席票)の左上に「ご出席票(控)」をホッチキスで貼り付ける
・ある程度集まった時点で集計係に渡しに行く


※提示のなかった場合・・・<受付係B>が対応

「株主総会出席票」の記入を依頼
・「株主名」「住所」「議決権行使書の提出・未提出」を確認
・「インターネットにより既に議決権行使を行った」旨の申出があれば、「議決権行使書の提出・未提出」の欄の「提出済」にチェックして頂く
・法人株主より「委任状」「職務代行通知書」の交付があれば受け取る

株主名簿との突合せ
・株主名簿に記載があれば、「株主総会出席票」に「株主番号」及び「議決権個数」を記入する

「ご出席票」の交付
・「ご出席票(控)」を千切った後、「ご出席票」を交付
・「招集通知」を要望された場合「招集通知」を交付

受付後の処理
・議決権行使書用紙(株主総会出席票)の左上に「ご出席票(控)」をホッチキスで貼り付ける
・ある程度集まった時点で集計係に渡しに行く


■異例事態への対応例
(※会社によって対応は異なるため、事前の取り決めが必要)

1.同一名義の議決権行使書用紙を複数持参した場合(新旧住所等)
持参された議決権行使書用紙全部を有効なものとして受付する。但し、「ご出席票」の交付は一枚とし、議決権行使書用紙は重ねて「ご出席票(控)」をホッチキスで貼り付ける。


2.一人の株主が個人名義のものを複数持参した場合(家族名義等)
本人分はどれかを確認し、持参した本人分のみ有効なものとして受付する。他人分は集計には加えないため、他人名義の議決権行使書用紙も一緒に預かり、本人分の議決権行使書用紙に「本人分」と朱書きし、その下に本人分以外を重ねてホッチキスで貼り付ける。


3.一人の株主が、法人名義と個人名義(法人の代表者と同一)を持参した場合
持参された議決権行使書用紙を全て有効なものとして受付する。但し、「ご出席票」の交付は一枚とし、議決権行使書用紙を重ねて「ご出席票(控)」をホッチキスで貼り付ける。


4.一枚の持参で複数の入場を要求された場合(家族を連れてきた等)
株主本人のみ入場を認め、株主ではない同伴者の総会会場への入場は断るのが原則。 (認めている会社もある)


5.持参者が「自分は株主ではなく代理人である」との申告をした場合(家族名義等)
会社定款で出席者は代理人であっても株主に限られていることを説明し、総会会場への入場は断るのが原則。 (但し認めている会社もある)

【注:株主でない旨の申告をしない人の取り扱い】
原則として議決権行使書用紙の持参者を真正な株主とみなして取り扱う。たとえ女性名の議決権行使書を男性が持参した場合でも、持参人を本人とみなして取り扱う。 (但し認めていない会社もある)


6.法人株主名義の議決権行使書を、その会社の社員が持参した場合
原則、法人株主の議決権行使書用紙を持参した人は、会社を代表して来場したものとして取り扱い、本人出席として集計する。


7.「インターネット開示事項を印刷したものがほしい」との申出があった場合
株主総会で株主に提供される一部の書類は、インターネットで開示することにより、株主に提供したものとみなされる。よって株主には、「インターネットで開示することにより、株主様に提供したものとみなされ、法律上改めて配付する必要はございませんので、本日はご用意いたしておりません。」という旨を伝える。


株式事務の基礎知識
中川 雅博
商事法務
売り上げランキング: 620,566

2014年6月9日月曜日

web修正について

6月総会の株主総会担当者は、そろそろ招集通知の作成という第一関門突破したことでホッと一息ついている頃ではないだろうか。この時期にいつも気になってくるのが「web修正」である。

1月くらいから頻繁に開催される株主総会関係のセミナーや商事法務等の書籍で仕入れた知識にこれまでの経験をミックスした招集通知のゲラを作成した後は、社内の関係部署はおろか、社外関係者(証券代行等)の法務/誤字脱字チェックを受け、万全の体制で校了→印刷へと進むのだが、校了後にミスに気付くことは多々ある

こうした場合に大活躍するのが「web修正」だ。

よく間違えている人がいるが、「web修正」は事業報告などの一部をインターネット開示する「web開示」とは異なり、会社法の条文で「電磁的方法で云々」といった規定が定められているわけではない。

株主総会参考書類、事業報告、計算書類および連結計算書類に記載すべき事項について、招集通知を発出した日から株主総会の前日までの間に修正をすべき事情が生じた場合における修正後の事項を株主に周知させる方法を、当該招集通知と併せて通知することができる、と定められているだけである(会社法施行規則65条3項、133条6項、会社計算規則133条7項、134条7項)。

よって、この「周知させる方法」を自社のホームページに掲載すると招集通知に書いておけば、それだけでweb修正を行うことが可能となる。念押しだが、定款に定めておくことなどは必要ない。

ここで悩ましいのが、どのレベルのミスであればweb修正が可能で、どこからダメなのかいった線引きだ。これには法的な判断が必要となるため、顧問弁護士に相談することになるが、誤字脱字レベルであればweb修正で問題はないと思われる。

なお、実務上のテクニック(?)としては、招集通知のミスを校了した3日後など早期に発見できたとしても、その内容が軽微なものであれば、わざと株主総会1週間前くらいにweb修正で開示するのがおすすめだ。

なぜかというと、あまりに早期発見、早期開示だと、「ちゃんと葉書で書いて送って来い」と言ってくる株主が必ずいるからである。また、早く開示してしまうと、その後に他のミスが見つかる可能性もなきにしもあらずなので、やはり招集通知が発送された数日後くらいにweb開示するのが無難だと思う。


究極の手段として「見なかったことにしよう」という最終テクニックもあるが、これは一度使ってしまうと麻薬のような中毒性があるので、あまりお勧めはできない。


■参考資料

著者 : 中川雅博
商事法務
発売日 : 2009-11

2014年6月8日日曜日

汗をかかずにトップを奪え!


今日読んだのは、僕がハマった「ドラゴン桜」の主人公、桜木健二弁護士のビジネス塾の本。あの桜木弁護士がビジネスのノウハウを解説してくれるなんて、これは買いだろうと即行で購入して即読んだ。ちなみに、文章は全て「阿部寛」の声で再生された。

もちろん、書いているのは三田紀房氏なんだが・・・。


さて、前作の「個性を捨てろ!型にはまれ!」は、はっきり言ってイマイチだったが、今回はなかなか面白く読めた。まず最初に「デキるヤツはビジネス塾で話を聞いたり(こういう)本を読んだりしている暇はない」と一喝。出来る奴は仕事で忙しいんだ、と。


その通りです(笑)。


さて、内容は奇抜なことが書かれているのではなく、至極まっとうなことが書かれていた。「会社の地盤、看板、カバンを利用しろ」とか「一人で仕事はできない、だからできるヤツは謙虚なんだ」など、サラリーマンとしての会社との付き合い方、処世術や、手帳の使い方、仕事の始め方などテクニカル的なことも読みやすく書かれてあった。普通のサラリーマンからの視点で書かれている点が、大前研一氏とかのコンサルタント本とは違った。

内容全体としては、サラリーマンをやっているなら、とにかくいつ会社を辞めても(クビになっても)、十分やっていけるだけの実力を付けろ、そしてその実力は会社を上手く利用して付けろと、といったメッセージだった。

僕も、いつでも辞められる準備をしなければ。

2014年5月30日金曜日

新任の株式実務担当者へ

ここでは新しく会社の株式担当へと配属された人向けに、僕がこの数年間で学んだ基本・ノウハウをまとめておきたい。きっと役に立つ情報が一つか二つはあると思う。(4月中に書き上げるつもりが、5月末になってしまった)

まず前提として「上場会社」の株式担当者向けに書いている。上場していない場合は内容が異なると思うので、あまり参考にしないで頂きたい。また、会社形態は監査役会設置会社を想定しているので、委員会設置会社の人もあまり参考にしないで頂きたい。というか委員会設置会社は大抵の場合、日本を代表する「超」大企業が多いので、そういった会社は研修システムも必要以上に整っているから、こんなところ見る必要はないであろう。

前置きが長くなったが、適当に項目別に書いていく。


・株主総会
このイベントが株式担当者にとって1年間で最大かつ最重要なイベントとなる。これを適法に終らせるためだけに1年間勉強するといっても過言ではない。

大半の上場会社は3月末決算、6月中旬~下旬株主総会総会のスケジュールで進めるのが一般的だ。新卒で株式担当に配属された場合、4月は新人研修、5~6月に配属され、配属1ヵ月後には株主総会が実施されることになり、流石に何の戦力にもならないだろう。よって1年目は先輩に言われたことをしっかりこなすだけでOKだ。2年目からは戦力として活躍できるよう勉強しておこう。

さて、株主総会とは何か。教科書によく書かれてある言葉を借りると、株主総会とは「株式会社の最高の意思決定機関」である。こう書くと株主総会で何でも決定できそうな気がするが、この文章の対象者である上場企業(取締役会を設置している)の株式担当者にとっては少し注意が必要だ。会社法295条には次の通り書かれてある。
会社法 第295条
1.株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。
2.前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。
この第2項に書いてあるように、取締役会設置会社にとっては万能の機関とは言えず、会社法に規定する事項および定款で定めた事項に限り決議する権限がある機関ということになる。

では、具体的にどういったことを決議できるのかというと、剰余金の処分や取締役・監査役の選任、定款の変更などであり、これらは内容によって定足数や可決要件は異なる。詳しくは会社法の条文を読んでみよう。

株主は(例外を除けば)保有株式数に応じた数の議決権を持ち、これを行使することで上記の事項が決定されていく。この一連の流れを法律(会社法)に従って運営していくのが株式担当者の仕事である。よって、会社法の勉強は必須。会社法施行規則/会社計算規則まで含めて細部まで押さえておかないと思わぬ落とし穴に引っかかってしまうので、覚悟して勉強しよう。

なお、あまり考えたくはないが、手続上および内容上の瑕疵があった場合、違法な決議として無効、または取り消される可能性はある(会社法830条、831条)。


・株主名簿管理人
株式会社は株主名簿を作成し本店に備え置かねばならないが、上場会社は株主名簿管理業務を株主名簿管理人に委託しているのが一般的だ。株主名簿管理人など聞いたことがないと思うが、三菱UFJ信託銀行に代表される信託銀行の証券代行部門や東京証券代行、日本証券代行(証券会社ではない)という証券代行専門会社が行っている(最近ではアイ・アールジャパンという株式関係のコンサル会社が新規参入した)。

これらの会社は名簿の管理業務だけではなく、株式実務のアドバイザーも兼ねていることが一般的だ。株式担当者向けのセミナーも度々開催されるので、都合が合えば積極的に参加しよう。たまに大学の教授や著名な弁護士を招いたアカデミックなセミナーもあり、学生時代はいかにサボるかを考えていた大学教授の講演を、真剣にメモするサラリーマンの光景は、ある種見物である。また、セミナー以外にも懇親会(研修会という名の旅行すらある)を開催しているところもあり、他社の株式担当者と知り合いになれる機会も作ってくれる。他社の株式担当者との人脈というのはかなり重要なので、こういう機会は大事にしよう。


・株式懇談会
上場企業の株式担当者で構成される日本最大の組織が株式懇談会、通称「株懇(かぶこん)」である。場所によって東京株懇や大阪株懇に分かれており、本社の所在地によって所属する部会は異なるようだ。この会は、上場会社は入会必須というわけではなく、あくまでも自由参加の組織である。しかし、実務をやっていく上で重要な情報がリアルタイムで流れてくるのは確かなので、株式実務に不安があるようであれば参加することをお勧めしたい。

こちらも株主名簿管理人同様に実務者・学者を招いたセミナーが多く開催されるので積極的に参加しよう。特に、株主総会に関しては最新の重要な法律を全部網羅したレジュメが配られるので、実務担当者としては有難い。株懇の委員になれば色々な義務が生じるようだが、メンツを見る限り日経225に入るような一流企業からしか選ばれないようだ(あまり詳しくは知らない)。


・商事法務
遂に2000号を発行した歴史と伝統と権威のある法務雑誌が旬刊「商事法務」だ。書店では手に入らず、定期購読によってでしか手に入らない(裁判所の書店では普通に売っていたが)。執筆人は一流の商法学者、弁護士がずらりと名を揃え、新しい法律が施行された場合は立法担当者である官僚による解説も行われる。商事法務以外にも法務雑誌は出版されているが、引用として商事法務の記事が使われることが多く、内容の「濃さ」は他の追随を許さない。

執筆陣がハイレベルであるので、当然ながら記事の難解さは一般雑誌とは比較にならないほど高い。読破するには相当な精神力・体力・気力が必要となる(これは冗談ではない)。わざとわかりにくく書いているのではないだろうかとすら思うような論文もあり、新人が読んでも半分も理解できないのではないだろうか。ただ、まともな株式担当者はまず読んでいると思って間違いない雑誌なので、万が一自社が購入していなければ、上司を説得して定期購読を開始することをお勧めしたい。

新人は読めそうなところから読み始めてみるか、上司にどこを読めばいいか聞いてから読んでみるといいだろう。外国の法令解説もたまに書いてあるが、僕は今まで読んだことがない。


・有識者たち
前述の商事法務や外部セミナーで度々目にする機会があると思うが、とりあえず会社法の世界で有名なのは江頭憲治郎氏、神田秀樹氏である。また学者ではないが、弁護士の中村直人氏や武井一浩氏、最近ではあまり名前を見かけないが、会社法の立法担当の一人である葉玉匡美氏などは有名だ。他にも色々いるので大型の本屋に立ち寄った際は一度株式コーナーに立ち寄ってみて欲しい。権威の解説というのは強いもので、仮に会社法の解釈で上司と揉めた際でも「え、でも江頭先生は本にこう書いていますよ」と言えれば、新入社員であろうと大体キミの勝ちだ。






こうした著名有識者のセミナーは、ほぼ例外なく会場が満員になる。影響力の大きさが分かる瞬間だ。

・法定書類印刷会社
何と呼ぶべきかわからないが、株主総会招集通知や有価証券報告書などの法定書類の印刷を専門に事業展開している会社がある(メインは有報)。有名なのは宝印刷とプロネクサス(旧亜細亜証券印刷)だ。なお、どちらも東証1部上場企業である。他にもあるらしいが僕はこの2社以外は詳しく知らない。この会社は単に法定書類を印刷するだけではなく、内容の法務チェックや慣習に基づいたアドバイスを行う点が一般の印刷会社と違うところだ。特に株主総会の招集通知は法定書類であるため、大半の上場企業は、この2社のこちらかの専門サービスを受けて瑕疵のないよう細心の注意を払って作成している。変な招集通知を作成してしまうと、後日行われる各セミナーで「代表的なミス」として日本中の上場企業株式担当者に晒されることとなるため、こうした法務チェックは大事なのだ。なお、これらの印刷会社も信託銀行等と同じく著名者を招いてのセミナーを開催していることがある。行ける限り、積極的に参加しよう。

最近では招集通知のカラー化、ビジュアル化に伴い、こういった専門印刷会社は使わない上場会社も増えてきているそうだ。理由は色々とあるだろうが、上場会社は3月末決算会社が多く、こうした書類の作成時期があまりに被るため(5月に集中する)、専門印刷会社のレスポンスが遅く、作業効率が落ちる点や、最近の企業法務部の充実(企業内弁護士も増えた)に伴い、法務チェックは自前で対応可能となったことも、その原因のようだ。


・証券取引所
定款の変更が上程されることが決定した場合は、適時開示を行う必要がある・・・、こういったルールは証券取引所が定めており、所定の手続に従って開示手続や書類提出を行うこととなる。最近は何でもwebポータルから実行できるようになり、数年前と比べればかなりシステムの使い勝手は良くなった。その他、「コーポレート・ガバナンス報告書」という、一般にはなかなか聞きなれない書類も、このwebポータルで作成・提出することになる。

開示手続の解説セミナーが年に何回か行われるのに加え、インサイダー取引に関するセミナーがやたらと開催されるのが特徴だ。インサイダーセミナーに参加すると、大抵「こんぷらくんのインサイダー取引規制Q&A」という冊子等、規程作成や社内研修(コンプライアンス関係)に役立つ資料がもらえるので、1年に1回くらいは冊子をもらう目的で参加しても良いと思う。

なお、東京証券取引所以外の取引所はどうなっているか僕は知らない。


・ビジネス実務法務検定
法務という分野は「弁護士」「司法書士」といった国家資格を筆頭に色々と資格が存在するが、もし資格の勉強もしてみたいというのであれば、おすすめは「ビジネス実務法務検定」だ。

ビジネス実務法務は東京商工会議所が主催(つまり民間の資格)になり、行政書士や宅建と比べて知名度は低いが、より実務に近い法務分野での出題になるため、特に法学部を出ていないような人や、法学部は卒業したものの、ビジネス分野の法律は一切勉強しなかったような人がざっと勉強するにはお勧めである。(はっきり言って、2級までは難しくない)

なお、手前味噌ではあるが、かつて僕がまとめた勉強法記事が、未だに根強くアクセス数があるため、気になった人は読んでみて欲しい。

ビジネス実務法務検定試験2級に合格する方法


・英語力
これは必須ではないが、最近では企業のグローバル化に伴い、英文の招集通知を作成する会社も増えてきた。作成は翻訳会社に丸投げするにしても、そのチェックは自前で行う必要があるので、ある程度の英語力は必要となる。

2014年3月期決算の上場企業で英文招集通知を作成した会社数は349社と少ないが、今後は増えていくと思われる。もし会社でTOEICの受験が義務付けられているなら、人事の命令と割り切って必須スコアギリギリを目指すのではなく、気合を入れて700点~800点オーバーを目指して勉強した方が良いだろう。

僕の個人的な感覚ではあるが、株式実務を担当している人は英語を苦手としている人が多いように感じるので、英語がある程度できれば、1年目社員でもそれなりに重宝されるだろう。いくら大学の法学部で会社法をしっかり勉強してきた人でも、株式実務を10年担当してきたベテラン社員に勝つことはなかなか難しいが、英語でなら新入社員でも上司に勝てる可能性が高いことを付言しておきたい。

なお、これも手前味噌ではあるが、かつて僕がまとめた英検の勉強記事が、未だに根強くアクセス数があるため、気になった人は読んでみて欲しい。

英検準1級に合格する方法


・新任担当者へのお勧めの書籍

著者 : 山田真哉
青春出版社
発売日 : 2005-12

これは、僕のような法学部卒ではないのに株式実務部門に配属されてしまった不幸な新人がまず読むべき本。イラストとか4コマ漫画がふんだんに盛り込まれており、読みやすい。実務では使えないとか、厳密に言うと違うとかよく言われるが、そういうことは置いておいて、とりあえず、「会社法ってこんなものなのだ」という理解だけはできる。ちなみに執筆者は弁護士ではなく、公認会計士の山田真哉氏(「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の著者として有名)。


著者 : 中川雅博
商事法務
発売日 : 2009-11

この本は以前に紹介した株式実務専門の本。社会人になってから色々な株式実務関係の本を読んだが、やはり株式実務入門書の中で本書は群を抜いた分かりやすさだと思う。今でも机に置いて、何か気になったことがあればさっと調べることに使っているので、今後会社法が改正されても、それに合わせて改訂版を出して欲しいと期待している。



会社法を引くのに、小六法を使っている人もいるかもしれないが、やはり会社法を専門に仕事するなら中央経済社の「会社法」法令集」は卓上に必須だ。とにかく使いやすい。改訂される度に買い替えるようになれば、もう立派な株式担当者である。ちなみに、僕も昔は小六法を使っていたが、結局手垢が残るのは会社法の部分だけ…ということで、本書をメインに使うようにしている。


<関連エントリー>
株主総会にお土産は必要なのか
株主総会の受付業務フロー
web修正について
株主名簿と機関投資家の関係について