1月くらいから頻繁に開催される株主総会関係のセミナーや商事法務等の書籍で仕入れた知識にこれまでの経験をミックスした招集通知のゲラを作成した後は、社内の関係部署はおろか、社外関係者(証券代行等)の法務/誤字脱字チェックを受け、万全の体制で校了→印刷へと進むのだが、校了後にミスに気付くことは多々ある。
こうした場合に大活躍するのが「web修正」だ。
よく間違えている人がいるが、「web修正」は事業報告などの一部をインターネット開示する「web開示」とは異なり、会社法の条文で「電磁的方法で云々」といった規定が定められているわけではない。
株主総会参考書類、事業報告、計算書類および連結計算書類に記載すべき事項について、招集通知を発出した日から株主総会の前日までの間に修正をすべき事情が生じた場合における修正後の事項を株主に周知させる方法を、当該招集通知と併せて通知することができる、と定められているだけである(会社法施行規則65条3項、133条6項、会社計算規則133条7項、134条7項)。
よって、この「周知させる方法」を自社のホームページに掲載すると招集通知に書いておけば、それだけでweb修正を行うことが可能となる。念押しだが、定款に定めておくことなどは必要ない。
ここで悩ましいのが、どのレベルのミスであればweb修正が可能で、どこからダメなのかいった線引きだ。これには法的な判断が必要となるため、顧問弁護士に相談することになるが、誤字脱字レベルであればweb修正で問題はないと思われる。
なお、実務上のテクニック(?)としては、招集通知のミスを校了した3日後など早期に発見できたとしても、その内容が軽微なものであれば、わざと株主総会1週間前くらいにweb修正で開示するのがおすすめだ。
なぜかというと、あまりに早期発見、早期開示だと、「ちゃんと葉書で書いて送って来い」と言ってくる株主が必ずいるからである。また、早く開示してしまうと、その後に他のミスが見つかる可能性もなきにしもあらずなので、やはり招集通知が発送された数日後くらいにweb開示するのが無難だと思う。
究極の手段として「見なかったことにしよう」という最終テクニックもあるが、これは一度使ってしまうと麻薬のような中毒性があるので、あまりお勧めはできない。
■参考資料
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