2009年9月28日月曜日

ぬるま湯

年々仕事の量が増えてきている。仕事の量が増えてくることは喜ぶべきことだとは思うが、今年の増量は想定外だった。デスクワークがキツイ。今月の残業時間は、過去最高を楽に更新した。

しかし、その仕事の内容というのが、調査書の作成やらカタログの改訂、更には社内報…。一切専門的な知識が付かないし、そもそも必要がない仕事ばかりで、今年の新入社員でもできるようなことばかりなのだ。上司が、こいつは法律関係の仕事はできないと思ったのか、こういう単純作ばかりが大量に回されるようになってきた。

それと、会社の1年上の先輩が今月末で転職した(この不況期にしては、結構いい会社に内定したようだ)。年の近い人が辞めていくというのは、何とも言えない複雑な気持ちにさせられる。

その際、部長から言われた言葉をここに残しておく。

 

「ウチの会社はな、はっきり言って ぬるま湯 なんだよ。だから、辞めても他社では通用せんぞ」

 

ぬるま湯…何て言い方だ。せめて、「うちの会社で通用する奴は、どこに行っても通用する」くらい言えんのか。

「そんなんだから、有望な若手が辞めていくんですよ」

と言えるわけもなく、飲み込んだ。

2009年9月24日木曜日

英検1級に挑戦!

最近全くブログを書いていなかったが、何をしていたのかというと、英語の勉強をしていた。
そう、無謀にも英語資格の最高峰、「英検1級」を目指して勉強を始めたのだ。とりあえずネットで次回10月の試験に申し込んで(受験料7500円也、高い!)、下の問題集を購入して勉強を開始した。

まだ1級の勉強を開始したばかりなので何とも言えないが、確実に言えることは準1級と比べて遥かに単語レベルが高いということだ。準1級は大学受験英語の最高クラスの単語がバンバン出てきていたが、1級はもはや大学受験では絶対に見ることのない単語しか出てこない。とにかく語彙が最初の難関だと思った。
次にリスニング。これは、語彙問題と比べれば多少はマシかと思いきや、会話問題で「3人」が出現するという、かつてないシチュエーションに動揺せずにはいられなかった。

知らない単語が多すぎて、なかなか問題集が先に進まないのだが、とにかく今は自分を信じて進むのみだ。



2009年9月13日日曜日

親戚の葬式を終えて

親戚が一人亡くなった。

身内の人間が亡くなるのは、小学生時以来で、今回の一件は色々と考えさせられた。

1つは、単純なことだが、人はいつか死ぬということ。そして、その「いつか」は、予測できないということだ。

僕の尊敬する織田信長の時代で「人生50年」。とすると、既に25才を超えている僕は、もう人生のターニングポイントを通過したこととなる。

残りの人生で、一体何をするのか。というか、何をしたいのか。このままダラダラ中小企業でサラリーマン続けることが違うのは、前々から気づいていることだ。

もう一つ考えさせられたのは、自分と両親についてだ。

亡くなった親戚は、まだ子供の3人いる母親だった。3人とも未成年だ。彼らはこれから母親抜きで生きていかねばならない。あまりにも早すぎる死だったと思う。

一方、僕はこの歳になっても未だに親と同居し、家事の一切を親にしてもらっている(最近、あまりしてくれなくなってきたが…)。今回の葬式に関しても何の知識もなく(御通夜と葬式の違いも知らなかった)、色々準備してもらった。更に、今日は一人で料理を作ってみたのだが、僕は「焼き飯」しか作れないことに気づいてしまった…。

親に甘えすぎというか、非常に情けない。

収入もそうだ。現在の安い賃金(最近、そんなに安くないのではと思ってきたが・・・)で余裕で生きていけるのは、親と同居しているからに他ならない。今一人暮らしをしたら、家事の面と収入の面で即死してしまうかもしれない。

これからのテーマは「自立」。もう、ちょっと勉強したくらいで、しんどいとか言っていられないな。

と、まとまりのない文章になってしまったが、僕は感じたことをすぐに忘れてしまう人間なので、念のためここに記録しておく。

僕は、いつ死ぬかわからないが、尊敬する大前研一先生のように、その時がくるまで、やりたいことに挑戦し続ける生き方をしていきたい。
 

おばさんのご冥福をお祈りいたします。


2009年9月9日水曜日

法務部門とコンプライアンス

最後に、企業法務を担当する者として押さえておきたい、近年の企業法務に関する変遷と、求められる役割、話題のコンプライアンスについて等、ざっくりまとめておく。

・法的リスクとコンプライアンス
企業を取り巻くリスクは大きく分けて4つのリスクがあると言われている。経済リスク(市場)、カントリーリスク(政情)、法的リスク、天候・災害リスクがあるが、この中で、法的リスクは他のリスクと比べコントロールしやすい。コンプライアンスの実現は法的リスクの管理そのものといえる。

・企業経営環境の変化とコンプライアンス
日本は法治国家であるのに、なぜ最近になって急にコンプライアンスと騒がれるようになったのか。昔から公害事件やバブル期の金融など、企業の不祥事は結構行われていた。しかし、近年では企業の事業活動の根幹に関わる問題や、内部告発で発覚する不祥事が、いわゆる超一流企業や伝統のある老舗企業で起こるようになってきた。また、時価会計・連結決算制度の導入により、経営の透明性の向上が求められ、子会社を舞台とする不正もやりにくくなってきた。更に行政のスタンスにも変化があり、これまでの護送船団方式から自己責任へと変化し、事前チェックではなく事後チェックへと変わった。これら企業経営環境の変化が、コンプライアンスが議論される原因となった。

・コーポレート・ガバナンスと制度の変遷
経営者を如何に監視するかという視点で、まず「監査役制度」を導入したが、あまり意味がなかった(確かに、実際企業内から監査役を見ていてあまり意味がないように思う)。そこでアメリカから「委員会等設置会社」のシステムを輸入したが、これもあまり意味がなかった。そこで今回、「内部統制システム」が制定された。内部統制システム構築の目的は業務の適法性と効率性の実現であり、適法性というブレーキをかけつつ、如何に効率性を実現する経営を行うかが、最大の課題である。

・企業法務の役割の変化
クレームの対処等の事後的な臨床法務や、紛争予防としての予防法務がこれまでの法務部門の役割であったが、近年はM&A・グループ企業の再編・経営体制等、戦略法務としての役割が新たに注目を集めている。

・法務部門の役割
会社全体の中での法律相談の窓口となるのはもちろん、これからはコンプライアンスに関する社内教育の担い手としても重要となってくる。また社内教育は、コンプライアンスの知識以上に違法行為を行わないという意識の啓蒙が重要となっていく。

2009年9月8日火曜日

労働関係法について

労働関係法についてセミナーを受けてきた。就業規則から労働組合まで幅広く解説を受けたが、トピックスとして意外だった内容をいくつかまとめておきたい。あまり労務関係の法律は仕事で必要ないので勉強していないが、普段の仕事と直結しているだけに、なかなかためになるセミナーだった。

・労働契約上と労働基準法上の労働時間
労働契約上の労働時間は就業規則における始業時から終業時までの時間から所定の休憩時間を除いた時間で、一般に「所定労働時間」と呼ばれる。一方、労働基準法上の労働時間(労働基準法32条)は、就業規則などの定めに左右されず、客観的に決まるものであり、使用者の作業上の指揮監督下にある時間、または使用者の明示、または黙示の指示によりその業務に従事する時間と考えられている。この2つの労働時間は必ずしも一致しないため、所定労働時間外の時間が労働基準法上は労働時間とされる場合がある。

作業の準備・後始末も労働時間か(三菱重工業長崎造船所事件)
「労働基準法32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい…労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではないと解するのが相当である。」
労働者が、就業を命じられた業務の準備行為等を事業者内において行うことを使用者から義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときは…それが社会通念上必要と認められるものである限り、労働基準法上の労働時間に該当すると解される」
実作業の終了後も、更衣所等において作業服及び保護具等の脱離等を終えるまでは、いまだ上告人の指揮命令下に置かれているものと評価することができる。」


・公益通報者保護法
内部告発行為を保護する立法として、公益通報者保護法(公通法)が制定された。この法は、労働者が不正目的ではなく、通報対象事実について公益通報したことを理由とする解雇・労働者派遣契約解除の無効、降格、減給その他不利益取扱いの禁止を定めている。
ただし、全ての告発者がこの公通法によって法的に保護されるというわけではない。国民の生命、身体、財産の保護を目的とし、社会に深刻な打撃を与える犯罪など461の法律(銃砲刀剣類所持等取締法など)に触れる犯罪行為を告発した公益通報者のみが保護の対象となる。よって、上司からのセクハラを告発したとしても、強制わいせつ罪になる場合は別として、公通法で保護されることはない。
また、公通法は、労働者の告発行為で従来判例法理によって保護されうる行為の一部について、判例による処理では保護されるか否かが明確でない問題点に対処するために、保護に範囲を限定して明確化したものである。従って、公通法の保護の対象とならない告発行為も従来の判例(労働基準法の解雇法理等)の枠組みによって保護されうることは、当然に予定されている。

・使用者の労働者に対する安全配慮義務
かつては、安全配慮義務といえば危険な作業に従事する労働者を事故から守ることを想定した配慮義務であったが、現在は労働者が健康を害さないための「健康」配慮義務へと拡大された。

裁判例における健康配慮義務(電通過労自殺事件)
使用者は、その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負う


・有給休暇の取得
入社して間もない頃、業務の多忙期に「明日有給を取っていいですか」と部長に聞いたところ、「ダメだ」と拒否されたことがある。これは適法なのか。確かに経営者側には「事業の正常な運営を妨げる」場合に有給休暇の取得を変更される「時季変更権」がある(労働基準法39条4項但書)が、実はこれは単なる業務多忙時期とか年末期にあたるといった理由のみでは認められない。

裁判例における事業の正常な運営を妨げる場合(新潟鉄道郵便局事件)
「事業の正常な運営を妨げる場合」とは、労働者が年休を取得しようとする日の仕事が、その労働者の担当している業務や、所属する部・課・係など、一定範囲の業務運営に不可欠であり、代わりの労働者を確保することが困難な状態を指す


代替要員の確保が可能な規模の会社であれば、時季変更権は認められにくく、違法な時季変更権の行使だとみなされれば、会社側が損害賠償を受ける可能性もある。
最近では、退職願と同時に未消化の有給休暇をまとめて請求する労働者が多いが、これも「事業の正常な運営を妨げる場合」でないと拒否することは難しい。

2009年9月7日月曜日

個人情報漏洩の事故状況

個人情報保護法のセミナーを受けてきた。「個人情報」の定義なんかはwikipediaを見てもらうとして、結構驚かされたのが、個人情報漏洩の事故状況についてだ。

漏洩経路で最も多い媒体は「紙」。このご時勢、殆どがネットからのデータ漏洩だとばかり思っていたが、Winny等経由の漏洩事件は全体の3%程度しかなく、漏洩事件のほとんどが「書類の置き忘れ」だった。ただし、漏洩する情報量はWinny経由や不正持出しの方が圧倒的に多い。

また、注意したいのが個人情報の補償額。個人情報漏洩に関する損害賠償請求裁判で判決が確定したケースとして、京都宇治市の住民基本台帳データ流出事件では、住民1人あたり1万円の支払が命じられた。つまり、営業担当の社員が一万件の顧客情報の入ったノートパソコンを持ち歩いていたとすると、最悪の場合1億円の損害賠償請求をされる危険を持ち歩いているといえる。

2009年9月6日日曜日

下請法を勉強した

下請法(正式名称:下請代金支払遅延等防止法)について勉強した。法務部門があるような会社は大抵資本金3億円を超えていると思うので、まず適用があると思う。

具体的には親事業者の「4つの義務」と「11の禁止行為」があるが、「11の禁止行為」の方は返品の禁止(下請事業者の責に帰すべき理由がない場合)など、常識的にやってはいけないことのような気がするので、注意すべきは「4つの義務」の方であろう。

①書面等の交付義務
「言葉より書面で確かな発注を」という標語すらあるらしく、発注に関して口頭はタブーで、注文書を必ず交付しなければならない。また、注文書もとりあえず何か書いた紙を下請業者に渡せばいいというわけでもなく、注文書の記載内容(納入場所や支払期日など)も詳細に定められている。

②書類の作成・保存義務
親事業者は下請業者別に取引記録記載した書類を2年間保存しなければならない。この書類はデータとして保存することも認められている。

③下請代金の支払期日を定める義務
納品日から60日以内と定められている。61日目からは下の「遅延利息の支払義務」により、利息を払う必要がある。

④遅延利息の支払義務
上記の支払期日を守らなかった場合、納品日の61日目から年利14.6%(かなり高い)の遅延利息を払わなければならない。

特に遅延利息は契約書を交わして特別な利息を定めていなくても適用されてしまうので注意が必要だ。下請法は下請業者が押さえておくべきなのは言うまでもないが、親事業者の場合は法務関係者より、実際の営業担当や資材部が押さえておくべき法律だろう。(ウチの会社はうっかり下請法違反をしている可能性がありそうで怖い…。)

参考:知るほどなるほど下請法(公正取引委員会)

2009年9月5日土曜日

やっぱり音読

昨日は久しぶりに英会話スクールの授業を受けてきた。仕事が忙しかったり病気だったり、そもそも英語が勉強したくなくなったりで、スクールには半年程行っていなかったが、親切なチューターさんから、そろそろポイントの有効期限が切れるとの連絡があり、とりあえずTOEICのリスニング対策講座を受講することにした。

そして、昨日はその第1回目。久しぶりというのもあるだろうが、Part1.2が全く聞き取れなくて焦った。元からリスニングは大の苦手分野なので、仕方がないといえばそうなのだが、英検準1級に合格した割に、あまり英語力が向上していないような気がした。

講師はTOEIC満点保持者。この人もトレーニングとして「音読」を勧めていた。ただ聞き流すより音読する方が集中できるからとのこと。但し、必ず英文の意味を理解してから音読すること。実際、授業の最後に復習として実施した英文の音読(シャドーイング)を数回した後、改めて英文を聞いてみたら、よく分からなかった英文も聞き取れるようになっているから不思議だ。

それにしても、授業の始まるまでの精神的ストレス(授業中は結構楽しい)と、授業後の疲労感は何とかならないものだろうか。

2009年9月4日金曜日

債権の保全と回収

去年はやたらと取引先が倒産したので、債権の回収に関する条文を参照することが多かった。今年は昨年に比べれば取引先倒産は遥かにマシだが、ここで一度債権の保全と回収についてまとめておきたい。

・平常時の債権管理の必要性
2008年の倒産件数は1万3234件、3年連続の前年度比増加で、負債総額は13兆6709億2700万円。これは戦後5番目の高水準となっており、常に取引先企業の倒産を意識した備えが必要となってくる。なお、企業としての備えとは、以下のものが考えられる。
①取引を開始するための最低限の画一的なルール、与信管理を設ける(与信管理の標準化を)。
②経理・財務と連携して異常情報に気付く仕組みを作る。
③すぐに相談できる弁護士を押さえておく。 

・取引相手方の調査、確認
直接調査(対象会社へのヒアリング)や間接調査(商業登記簿謄本の入手等)がある。商業登記簿謄で商号を確認する際は、会社法では類似商号規制廃止により、同一市町村で同じ商号が使用可能となったことに注意。

・担保の必要性
担保とは、債務者が債務を履行しない場合に備えて債権者に提供され、債権の弁済を確保する手段となるもの。債権者平等の原則により、債権額が一部しか回収できないおそれがあるため、債務者の信用に多少とも不安がある場合は担保を取る必要がある。
※債権者平等の原則:債権者が他の会社にも債務を負っている場合、債権の種類、内容、発生時期に関係なく、債権額に応じて按分された額しか回収できない。

・抵当権(民法369条
抵当権は必ず現地確認をする。抵当権の担保として供された土地の上に建物がのっている場合もあり、その際は建物とセットで抵当権を設定する必要がある。また、先順位の抵当権者がいるときでも、後順位の抵当権者に回ってくることも在り得るので諦めないこと。

・時効の中断(民法147条
進行する消滅時効を巻き戻す(改めて新規に時効が開始する)ことができる制度。時効の中断事由には次のようなものがある。
①請求:訴訟を起こして請求をすること(裁判上の請求)。毎年「請求書」を送ることではない。
②催告:相手方に請求書を送付すること。これ自体には完全な時効の中断の効力はないことに注意。催告を行ってから6ヶ月以内に裁判上の請求等を行わなければ、時効は中断しない(民法153条)。尚、催告を行う場合は、「内容証明郵便」を送付することが一般的。この場合も効果は6ヶ月しかないが、後に裁判になった場合、大きな効果を持つ。
③承認:債務者が債権者に対して債権が存在することを認めること。これが最も一般的かつ効果的な時効の中断方法で、時効期間経過後でも債務承認があれば足りる(民法156条)。但し、連帯保証人が債務承認しても、時効中断にはならない。

・倒産までの過程と債権の回収
債権を持つ企業に支払不能や支払停止といった破産原因が起こると、前述の「債権者平等の原則」が働くため、債権の回収が非常に難しくなる。更に倒産されてしまうと、実際に債権回収はほぼ不可能となる。債権を回収する場合は、破産原因の起こる前の信用不安の状態で早期に回収・もしくは担保取得をする必要がある。