2009年2月26日木曜日

「ここ一番」に強くなれ!











本屋で偶然見かけて、購入してしまったが、前回の本が駄作だったことを忘れていた。結論から言うと、今回のこれは前回を上回る駄作だった。僕自身はお金を払って買ったので一応最後まで読んだが、中身が薄すぎて中盤以降はほとんど飛ばし読みしてしまった。

ちなみにアマゾンのサイトには丁寧に目次が掲載されていたので、紹介すると…

STEP1 なぜ「ここ一番」で失敗するのか?
■人生にリハーサルはない!!
●社会人は毎日が「本番」だ!
●失敗の九割は「本番力」の欠如だ
●自分の努力に酔っぱらうな
■ありもしない「潜在能力」に頼るな!
●秘められた潜在能力などない!
●「実力」という言葉の定義を考えろ
●自己ベストではなく「てっぺん」をめざせ!!
■なぜ本番は難しいのか?
●本番はシミュレーションできない!
●負けなければ勝てる、と心得よ
●失敗とは「普通」ができないことだ

STEP2 アウェイで勝負しようとするな!
■効率バカになるな!
●効率化の目的をはき違えるな!
●求める成果を「天秤」にかけろ
●練習こそ全力で臨め!
■仕事は「ホーム&アウェイ」で考えろ!
●ホーム&アウェイの仕事力
●まずは「ホーム戦の勝利」をめざせ!
●対人スキルは社内で磨け!
●社内の「政治」を勝ち抜け!
■「奇跡」には合理的理由がある!!
●「勝利の女神」とは何者か?
●ミラクルは「他者」から生まれる!
●アウェイをホームに変えてしまえ!

STEP3 応用するな!基礎を極めろ!
■正々堂々と王道を行け!!
●すべての仕事は「やればできる」レベルだ
●迷うことなく王道を進め!
●あらゆる技術は基礎へ帰る
●資格は取るほどバカになっていく
■仕事以前の「基礎」を見直せ!
●仕事における基礎の基礎とはなにか?
●好かれるより「嫌われない」こと
●嫌いなヤツを穴が空くほど注視しろ
■自分を変えるな、時間を変えろ!
●人の「気質」は死ぬまで変わらない
●自己管理の原点は「時間」にある!
●もっと自分を束縛しろ!

STEP4 積極的に公私混同しろ!
■仕事とプライベートは対立しない
●プライベートの定義を考えろ
●中途半端なプロになるな!
●すべての人は「公人」である
■戦略的に公私混同しろ!
●出世したくないヤツは去れ!
●直属の上司を見るな!
●仕事場を「俺の部屋」にしろ!
■私利私欲を貫け!
●会社の利益なんてどうでもいい
●私利私欲を極め、税金を払え!
●商品を売るな、自分を売れ!

STEP5 「逆転思考」を身につけろ!
■世の中の「逆」を行ってみろ!
●成功のカギは「逆」にある
●ベストセラーに流されるな!
●一〇〇冊のビジネス書より漫画を読め!
■「反義語思考」が成功を呼ぶ
●「成功」の反義語を考えろ!
●反義語を考えるクセをつけろ!
●アイデアは反義語の中から生まれる
■「逆」の発想を使いこなせ!
●迷ったときには「逆」を選べ!
●「言い換える力」をマスターしろ
●成功を学ぶな、失敗を学べ!

STEP6 胸を張って臆病者になれ!
■最後に勝つのは臆病者だ!
●臆病だからこそ勝てる
●なぜイチロー選手は柔軟をくり返すのか?
●手ぶらで営業してみろ!
●打ち合わせマニアになるな!
■仕事は投資だ、分散しろ!
●可能性の芽は絶対に枯らすな!
●仲のいいクライアントは突き放せ!
●あらゆる「占有率」を引き下げろ!
■世の中のウソに流されるな!
●もう日本は滅亡している?
●アンチ・グローバルで行け!
●ツッコミ力を磨け!
●ウソはつくな、ハッタリをかませ!

長いが、これを読めば本書の内容は理解したも当然。タイトルから予想できそうなことしか書いていないからだ。その中でも酷いと思ったのが、まず「出世したくないヤツは去れ!」という項目だ。そんな出世欲のないサラリーマンがこんな自己啓発の本を読むと思っているのだろうか。それから「そもそも会社はチームプレーなんて求めていない」とも書いてあった。以前は「一人でできる仕事なんてない」と個人主義を否定していたような気がしたが、気が変わったのか。極めつけは、「会社の利益なんてどうでもいい」「私利私欲を極め、税金を払え!」と。会社が利益を上げずに税金は払えないと思うが、こんな暴言を言いだすとは不可解だ。

痛い部分はまだある。「一〇〇冊のビジネス書より漫画を読め!」という項目だ。日本や世界の歴史を書いている漫画でも紹介しているのかと思ったら、大人になってもジャンプとか漫画雑誌の定期購読が大事だと書いてあった。そういうビジネスマンは「大きなチャンスを手に入れている」と。社会人にもなって朝の電車で漫画を読んでいるサラリーマンを見ると、僕は薄ら寒い気すらするのだが、これからは彼らを見直さないといけない・・・わけないだろ。敢えて奇抜なことを言っているのが見え見えだった。

一時は「ドラゴン桜」で有名になった三田さんだが、いい加減陰りが見えてきた、そんな気を起させる一冊だった。現在連載している三つ漫画もイマイチになってきたし、もう彼のネタは出尽くしたのかなと思う。

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