2016年10月3日月曜日

マーク・ピーターセン氏の「日本人の英語」は英語入門書として最適なのか?

体調の悪化したため、今日は会社を休んだ。基本的に自宅ではすることがなく、本を読むくらいしかないわけで、ようやく以前から読んでいたマーク・ピーターセン氏の「日本人の英語」を読破した。


日本人の英語 (岩波新書)
  • 作者: マーク・ピーターセン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1988/04/20
  • メディア: 新書

英語を勉強している人であれば一度は見たことがある程有名な本書は、1988年に出版されて未だに読まれ続けている英語の名著。色々なブログでも絶賛されている通り、冠詞の使い方など日本人が間違いやすいポイントを平易に解説してくれている。ただし、私は英文法の入門書の1冊として本書が書籍やブログ等で紹介されていることについては、大いに疑問を感じる。

なぜなら、この「日本人の英語」は、薄い割に決してその内容のレベルが低いわけではないからだ。僕のように普段から仕事等で英文を「書かない」「話さない」人にとっては、細かい英文のニュアンスの違いを紹介されても、さっぱりだと思う。

また、例文として紹介される英文が

International understanding is an issue of wide importance to both Japan and the West.

のように、初学者が新書感覚でスラスラ読むには語彙レベルが高いと思われるので、TOEICでいえばスコア600点以上はないと、読んでいても苦痛で、途中で挫折する可能性がかなり高いのではないだろうか。(僕は8回くらい挫折しました)

本書は、資格試験や大学受験レベルの英語をもう一歩踏み込んで、ややマニアックに「英文法」を理解したい人向けであり、間違ってもTOEIC対策では読まない方がいいだろう、というのが本書に対する僕の評価である。


一方で、本書を絶対に一度は読んでおくべきなのは、英語を教える立場の人間だと思われる。高校教師、家庭教師、塾講師、社会人向け英会話・TOEIC講師…やはり教える立場というのは生徒の知らないウンチクを織り交ぜて説明する必要があり、その点「日本人の英語」に書かれてある文法の裏側は最高の教材だ。授業中のネタの引き出しも増えるので、アルバイトで塾講師を始めたような大学生には最適ではないだろうか。

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