今日は証券会社主催のセミナーに参加してきた。内容は金商法と証券取引所の上場規則改訂について。結構期待して参加したけれど、内容は全部昨年の年末から今年の3月に改正された項目についてで、独立役員とか今更言われても・・・という感じでがっかりだった。あまり真剣にメモを取る必要もないと判断したのでボーっと講義を聴いていたのだけれど、一箇所だけひっかかる部分があった。それは、東証が新たに上場廃止基準とした希釈化率300%越えの第三者割当増資についてである。
会社法には四倍ルールという発行可能株式総数は発行済株式の四倍を超えてはならないといった規制(会社法37条3項)があるので、その理屈で考えれば300%を超える希釈化は起こりようがないのだ。
ただ、こういった類の規制ができるということは、実際に300%を超える希釈化を起こす増資を実施する上場会社があるからなので、何か四倍ルールを回避する方法があると思い、会社に戻ってから調べてみることにした。
で、この答えは、昔に購入した「論点解説 新・会社法―千問の道標」に書かれていた。
300%以上の希釈化を可能とする法的手段は、「自己株式の消却」と「株式の併合」である。
この本の解説によると、自己株式の消却や株式の併合により発行可能株式総数が発行済株式総数の四倍を超えることになってもよい、とのこと。また、発行可能株式総数が発行済株式総数の四倍以内になるような措置を取る必要もない、と。
会社法的にはOKだが、モック事件(株式併合と第三者割当増資による30倍=3000%!の希釈化)のような事例が出てきたので、証券取引所で規制することになったということだ。ただ、以前に商事法務で読んだが、四倍ルールには「既存株主が最大で4分の1まで希釈化が起こり得ることを覚悟させる」という意味合いもある。従って、株式の併合や消却による発行済株式総数の減少には、授権枠も減少させる仕組みを法改正により作ることが筋のような気がした。この辺りが最近話題の公開会社法でどうなるか、少し気になるところだ。
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