この本はやや値が張るが、即購入したのは、最後の章に規程モデルとその解説が掲載されていたからだ。規程を作る人間にとっては、これだけでも充分に元が取れるだろう。初版が2006年ということで、金商法も施行されていないし株券電子化もまだだったので、一部用語が古い感もあるが、それでもかの有名な商事法務の本ということで、信頼感は抜群である。
次はこの本。
「こんぷらくんのインサイダー取引規制Q&A」
「こんぷらくん」というふざけた名前のタイトルだが、出版は東証なのでバカにしてはならない。驚くべきは、その値段だ。39問のQ&Aに7件の事例紹介、関係法令集のおまけまでついて、値段はたったの350円だった。前述の本の10分の1の値段である。アマゾンには売ってないが、東証で買える。「インサイダー取引とは何ですか」といった基本的な事項から、バスケット条項まで詳しく解説。もし、まだ持っていない法務担当者がいたら絶対に買っておいた方がいいと思う。
本の宣伝はこの辺りにしておいて、規程の作成であるが、上記2冊のお陰でサクサクと進めることができた。そんな中で唯一問題になっているのが、「売買等の届出制度」である。この届出制度とは、役員や従業員が自社株の売買をする際、届出を事務局に提出させるルールのことだ。届出制度を社内ルールとして定め、インサイダー取引規制の抵触の有無を確認するステップを設けることが、意図せぬインサイダー取引を未然に防止する上で役立つと考えられている。ただ、他社の例では、役員のみ届出を求めるもの、役職員にもとめるもの、制度が存在しないもの等に分かれた。
また、「届出制」にするのか「許可制」にするのかの違いもあって、ここの部分が今回の改訂のポイントになりそうだ。
<関連エントリー>
・インサイダー取引防止規程の改訂(2014年4月2日)
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