<以下内容 ※青文字が後輩>
「先輩、今日『成功者になるためのセミナー』のガイダンスに行ってきたんすけど、受講料金が年間60万円もするんですよ。サポート期間が3年間付くらしいんすけど、これってどうなんすかね」
「断れ、詐欺だ。以上」
「そうですよね、60万円は高すぎますよね。でもセミナーの人が言うには、学生でも受講している人がいて、ローン組んで月々6000円払って通っている奴もいるらしいんすよ」
「それで」
「でね、一緒にガイダンス受けた奴もローンで受けようかと思っているらしいんです。まぁ、僕はお金ないですから無理ですけどね(笑)東京は怖いです。」
「カネがあれば受けていたのか」
「いやいやいや、でもガイダンスは一杯人が来ていましたよ。100人くらい。成功するためにはこれくらいの出費は必要なのかなと思ったりしました!」
「そもそも、なんでそんなガイダンス参加したの」
「以前『人脈開発セミナー』で知り合いになったIT企業の社長さんに勧められたんすよ。たまにホリエモンと一緒に酒を飲むスゲー人なんです!」
「それなんて会社?」
「●●●●●●株式会社(念のため伏せておきます)です!従業員は300人!その社長は20代で起業したんです!」
「あ、そう・・・」
「でもね、僕、気になるんですよ。何で社長がそのセミナーを僕に勧めてきたのか・・・」
「あのな、俺が毎月通っている研究会。弁護士や会計士も5,6人参加で2時間ほど研究報告やディベートを行っている。これ月に1回開催でいくらかかっていると思う?」
「え、2万円くらいっすか・・・」
「2千円だ。それも会社の経費で受講な。そのセミナーがどれだけぼったくりか分かったか?」
「い・・・いや、確かにね、そうかもしれないんですけどね、
お金もないんで仕方ないんですけどね、やっぱ僕は気になるんです。
社長がなぜ僕にそれを勧めてきたのか。
そこに成功のヒントがあるような気がしてならないんです。
やっぱまた行ってみたほうがいいですかね」
「な、なんでそうなるのよ・・・。お前、その社長さんに騙されているんじゃないか」
「何で社長が僕を騙すんですかぁー!!!ヽ(`Д´#)ノ
すごくいい人で、成功するためのヒントとか起業した時の話とかしてくれるし、
こっちも話も親身に聞いてくれるいい人なんです!!」
「・・・そ、そうか。そこまでだったら分割払いでセミナー行けばいいだろ・・・。」
「いやー、だからお金がね・・・」
ここで電話切って電源も切って寝た。
その後、後輩の彼が入会したのかどうかはわからない。こうした自己啓発セミナーも一種の宗教みたいなもんかなと思った。マルチと呼んでも良いのかもしれない。
ちなみに、自己啓発書はベストセラーを含めて何冊も読んだことのある僕だが、そういった類のセミナーには参加したことがない。何というか、どうにも表現できない恐怖があるのだ。こんなものに参加するくらいなら、アドラーの「嫌われる勇気」でも読んだ方が、よほど有用だと思う。
<関連エントリー>
・「嫌われる勇気」を読んだ
0 件のコメント:
コメントを投稿