2020年1月30日木曜日

株主総会対策セミナーにはどれに出席すべきか

年明けから、株主総会担当者にとっては株主総会関係のセミナーの季節の始まりである。1月末から3月頃まで知識を仕入れて、4月から招集通知を作成、5月のGW辺りにピークが来て、それ以降は気力でこなして無事校了、6月はリハーサルとか想定問答の取りまとめをしていると、暇な個人株主から「お土産は出るんですか」という電話がたくさんかかってくるようになり、本番のカウントダウンが始まる・・・。

さて、今日紹介したいのは、その1月から3月にかけてたくさん実施される「株主総会セミナー」は、どれに参加すべきなのか、という非常にマニアックなネタである。僕はかつて、出れるセミナーは全部出ていた時期もあったが、たった一つの株主総会をテーマとしてセミナーにいくつも参加するのはかなり非効率だ。ここでは、そこそこベテランとなった僕が、株式事務担当者はどのセミナーに参加すれば効率が良いか、言い換えると、これは出ておいた方がいいよ、というセミナーをランキングで紹介しておきたい。

なお、前提として、招集通知の作成から当日の会場対応責任まで担当している主力メンバーを想定している。

プロネクサス or 宝印刷のセミナー(★★★★★)

株主総会の招集通知作成セミナーは数あれど、やはり餅は餅屋、招集通知の作成は、実際に専門として作成しているP社とT社の印刷屋の解説が一番分かりやすい。株主総会を巡るトピックスやトラブル事例も上手くまとめて紹介してくれる。クライアントであっても有料になることが多いが、とりあえず2月くらいに開催される招集通知作成セミナーには参加しておくか、参加できなくてもレジュメだけは貰っておくことを強くお勧めしたい。私はどちらの会社のセミナーもよく参加しているが、個人的にはP社の方が好き。

信託銀行(証券代行)のセミナー(★★★)

株主名簿管理人である信託銀行証券代行部主催の株主総会セミナーも悪くはないのだが、特に招集通知作成のレジュメが使いづらく、後々これを見ながらPC画面で作業をすることまで想定はしていない感じがする。但し例外は三菱UFJ信託のセミナーで、ここは最大手だけあって、かなり分かりやすく分析されており、資料も使いやすい。別冊商事法務の「事業報告記載事項の分析」の巻末資料にも抜粋版が掲載されているが、実務者のかゆい所に手が届くように工夫されている。参加できなるなら参加しておく価値あり。

株式懇談会(株懇)のセミナー(★★)

解説を担当する株懇委員にもよるが、株懇委員は解説(プレゼン)は専門ではないため(委員は上場会社の総務とか法務担当者)、はっきり言って解説は聞いていても分かりにくいし、レジュメの作りも微妙である。一応、株懇モデルを知るということでは有用かもしれないが。ただ、4月頃に開催される「6月末総会の日程表」の解説だけは出ておくべきだ。あのセミナーが実質的な株主総会準備のスタート日になっている実務担当者は多い。

弁護士事務所主催のセミナー(★★)

招集通知作成の内容がメインで開催されることは少ないが、現役バリバリの弁護士によるセミナーも開催される。要点を絞った解説は確かに分かりやすいが、このセミナーの内容だけで招集通知を作成したり、主要なテーマを網羅することはできないので、あくまで補足的に利用することとなる。やはり弁護士のセミナーは「法改正の解説」が一番だと思う。あと、いつも思うのだが、この手の人たちなぜ巻末に経歴を記載するのだろうか。東京大学法学部を卒業後(在学中に弁護士合格)、ハーバードロースクールを卒業・ニューヨーク州の弁護士資格を取得、法務省出向を経て、パートナー弁護士になり現在に至る、政府諮問委員会も務め、○×会社社外取締役、著書多数・・・こういう経歴の人がやたら多いのだが、たまには挫折だらけの経歴の弁護士の解説も聞いてみたいものである。

商事法務主催のセミナー(?)

お一人様参加費3万円(税抜)で有名なセミナー。残念ながら会社が貧乏な私は参加したことがないが、少人数制できっと分かりやすいのではないだろうか(講師は大抵の場合、株式実務の世界での超有名人)。誰か参加したことがある方は是非教えて下さい。


色々書いたが、僕の場合は、プロネクサスと三菱UFJ信託のセミナーには自分で足を運んで参加し、株懇と弁護士事務所のセミナーは(付合いもあるので)部下に参加させている。なお、これらの評価はあくまで僕という3流ダメサラリーマンによる偏見がかなり入っていますので、クレームとかマジでやめて下さい、お願いします。

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