ストーリーは単純で、高校から「なぎなた」デビューした主人公(女子高生)が、薙刀という部活を通じて、成長していく話。この作品の面白い所は、「個人競技特有の心理描写」と「甘えのない友情」だと思いますね。特に心理描写は怖いくらい上手く書けていて、それが主人公だけではなく、他校のエースではない脇役にまで細かく描かれているので、引き込まれるように読んでしまいました。
個人競技で1対1の試合があるようなスポーツ(本作品は武術だが、それに限らず)に学生時代打ち込んだ経験のある人は、絶対に楽しめると思います。僕はスポーツで全国大会上位どころか、出場すら経験していない雑魚ですが、それでも対外的な試合描写及び部内戦の心理描写は、昔の自分を思い出してるような錯覚に陥ってしまった。個人競技のスポーツは、団体戦があったとしても、結局は個人対個人の戦いであり、「負けるかもしれない」という恐怖、弱い気持ち、メンタル面での戦いの一面もあります。これを、高校時代は美術部だったという薙刀未経験者の筆者が書き上げているというのだから、驚きですね。きっと小説家の才能もあるのではないでしょうか。
登場人として、多少は男も出て来ますが、基本的に女性中心のぶつかり合いが発生する漫画ということもあり、彼女らは、挫折するたびに、良く泣く。ただ、この漫画に出てくる女性は、泣いたり逃げたりした人物に対して、決して甘い言葉は投げかけない。それは主人公の旭も同じで、性格の優しいキャラではあるものの、他人に甘くはないのですよ。彼女らの指導者である福留監督(女)と寿慶(女)は特に厳しく、勝負事における心理(正論)をえぐるように付いてくるので、言い返すことができない。この辺り、実際の女性社会はどうなんでしょうね(笑)
最近では、学校の部活動の在り方を見直して、地域のスポーツクラブで専門性の高いコーチが指導するスタイルが提案されているようだけれど、こういう漫画を読むと、学校の部活動にも、良い所はあるんだなと僕は思う(これは漫画なのでフィクションですが)。
人気アイドルの乃木坂46のメンバーが出演した映画化もしているようですが、それよりも僕は次巻が気になって仕方がないです。
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