先日、独立役員制度について書いてみた(★)が、少々状況が変ってきたので、頭の整理のために改めてまとめておきたい。
実務担当者以外は知らない(というか知らなくていい)と思うが、バブル経済崩壊後の大企業における不祥事の多発により始まったコーポレート・ガバナンス論の延長として、昨年末に「独立役員」の設置が全上場企業に義務付けられることとなった。この制度が定められた当初は、「社外役員が本来的に果たすべき役割を超えた責任や義務の負担を求めるものではない」という説明が東証(の本)より行われていたが、独立役員届出書の提出期限日である3月31日に「独立役員に期待される役割」という解説が発表されたのだ(★)。これによると、独立役員は「一般株主の利益保護を踏まえた行動をとることが期待されている」と明記されている。具体的には、経営者と一般株主との間の利害の相違が顕在化する局面(MBOや第三者割当増資など)において、必要な問題点等を指摘すること等であり、こうした「積極的な役割」が独立役員に求められると。
提出期限日にこうした「役割」を公表するのは、後だしじゃんけんというか、あまり考えずに走り出している感が否めない。普通は順序が逆だろう。
というのも、今回の独立役員の届出に際しては、東証の定める「一般株主と利益相反の生じるおそれがあると判断する場合の判断基準」に該当しないから届出たという会社が大半だと思うからだ。
今後は上記の通り「積極的な役割」が求められていることに留意する必要がありそうだ。
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