2018年11月19日月曜日

俺のカーボネックス20(CARBONEX20)が泣いている

今年、バドミントンを再開するという趣旨のエントリーを2本も書きました。

その後の報告は一切書いていませんでしたが、ここらで書き留めておきたいと思ったので、書いておきます。


まず、勝手に所属させられることになったバドミントン社会人チームの練習に定期的に参加することになりました。 ただ、決まった曜日の決まった時間に練習があるわけではなく、市民体育館の予約状況等で練習があったりなかったりで、予約が取れないときは一カ月間練習がないこともありました。

そんなこんなもあって、当初思っていた通りの練習ができず、リベンジを誓ったはずのこの夏のリーグ大会はボロ負けしました。ダブルスのみの出場でしたが、まさかの1セットも取ることなしに終えてしまいました

これではいかんと、翌週から筋トレを始め、暑さの和らいできた9月後半から休日のジョギングを開始しました。学生時代はバドミントンの練習後に3㎞くらいは走るのが日課だったので、同じく3㎞走ったのですが、悲しいかな、肉体の衰えには抗えず、1回目のジョギングで膝を痛めました・・・。もちろん、バドミントンの練習は、当面参加不可になります。



そんな折、事件が起きました。



膝が回復して最初に参加した練習で、となりのゾーン(市民体育館は6コートを半分で分けて2グループで利用)で高校生たちが練習していたのです。彼らと練習試合をしてもらいましたが、当然の如く、負けました。彼らの機敏な動きを見ていると昔の自分を思い出してしまい、彼らに今はどんな練習をしているのか聞いてみました。学校ではフットワークとか、ノックとか、ゲーム練習です、と。僕が現役時代と同じようなメニューです。それを聞いて、ふと言葉が出てしました。



「一回、学校の練習に参加させてもらってもいい?」



高校生の返事は「もちろんOKです」と。


なぜ、こんな言葉が出たのかというと、心の片隅に、昔と同じ練習メニューに取り組めば、昔の強さが戻るという想いがあったのだと思います。

そして、その高校の練習に行ってきたのが、この前の休みです。

俺のカーボネックス20(CARBONEX20)が泣いている

ちなみにその高校、当然ながら強豪高校などではなく、ほぼ全員が高校からバドミントンを始めたという普通の高校でした。

練習では、体操などを終えたあと、「フットワーク」が始まりました。

1セット30秒です。

昔はこれを3~4セットやっていたなと思いながら、コートに入ると、最初の1セットは大丈夫だったのですが、2セットめは開始5秒くらいで足が止まりました(もう全力で動けない)。

高校生たちは(当たり前ですが)、普通にフットワークを続けています。周りからは僕がダレているように見えたでしょうが、なんとかフットワークはこなして、次は「基礎打ち」です。僕は既に肩で息をしていましたが、当然、その間に休憩はありません。

ドロップ、ドライブ、プッシュ/レシーブ、ヘアピン・・・とこなして、また私の前に壁が現れました。「ハイクリア」です。ただ、クリアを打ち合うというだけで、昔は3分間続けるくらいなんてことはなかったのですが、この単純なハイクリアが今の僕には拷問のようでした。ただハイクリアを飛ばすだけで、こんなに体力を使っていたんですね。ちなみに社会人の練習でも最初に基礎打ちはしますが、ハイクリアは長くても1分くらいです。

そして、スマッシュ/レシーブ。限界以上の体力をクリアで消耗した僕に、スマッシュを連続で打てというは、更なる拷問でした。

基礎打ちが終わって最初の休憩時間。

僕だけがぶっ倒れていました。

次のメニューは、「全面ノック」です。バドミントンを高校で経験した人はみんな知っていると思いますが、ボロボロの羽をコートの四隅に出されて、打ち返すというバドミントンの基本中の基本トレーニングメニューです。当然、僕も学生時代はノックは経験していますが、むしろノック練習は得意なメニューの一つでした。それだけ、当時は体力とフットワークには自信があったのです。

今の自分は、どうなのだろうか。

ドキドキしながら、コートに入りました。

少し長めの2分間ノック。30秒くらいは機敏に動けるかな、とか思っていました。
最初の2ラリー、時間にすると7秒くらいでしょうか。早くも限界が訪れました。

学生時代はノックを出す側も得意だった私、ノータッチ(ノッカーの出したシャトルをラケットに触れることなしに床に付けてしまうこと)の選手には




「ゴルァァァァァア!(゚Д゚)ノータッチするなやぁ!!」





と怒っていましたが、





今の僕は、ほぼノータッチでした





ノッカーの高校生も気を遣って(憐れんで)、後半はかなりゆっくり優しくシャトルを出してくれましたが、「ネット前」→「コート後方」に出されるだけで、想像を絶する程しんどいのです。

地獄のような2分間を終えて、体育館の隅で肩で息をしながら気付きました。




この練習は、一人2セットあるということに。





しかし、自ら希望して参加した学校の練習、リタイアだけはプライドが許さず、若干目に涙を浮かべながら、2セット目を終えました。ちなみに2セット目は、1年生の女の子よりもゆっくりとしたスピードでノックされました

その後、「今日は部外者の方(←僕のこと)が練習に来てくれたから」との理由で特別にゲーム練習が組まれました。その時点で僕の身体には翌日筋肉痛(強)のサインが見えており、全力で拒否しましたが、せめてダブルスだけでもと言われて、ダブルスのゲーム練習に入りました。

高校生が気を遣ってくれたのか、僕のパートナーは学校での一番手プレイヤーでした。現役時代の僕より上手いんじゃないかと思うくらいのパワーとテクニックを持った選手です。





スプラトゥーンで言うところの「介護マッチング」が行われたのです。






それでも、ゲームは勝てませんでした。ほぼ、シングルス対ダブルスみたいなゲームでした(分かる人にはこの表現分かりますよね)。

練習を終えて、「また来てくださいね」と追い出されたわけですが、帰り道、今日の練習を思い返すと、改めて涙が出そうになりました。

全てにおいて、自分の衰えが悲しく情けなかったのですが、やはり一番は、「ノック」でした。脳内に良く動けたイメージがあるだけに(思い出補正されているかもしれませんが)、10秒も経たずに酸欠状態になり、ノータッチを繰り返した今の自分が、情けなくて悲しかったのです。

学生時代、団体戦で県ベスト4、個人戦でベスト16とか、今の僕の姿から誰が信じてくれるでしょうか。オリンピックにも出場した某選手と公式戦で当たったことなど、誰が信じてくれるでしょか。過去の栄光は、背面の入ったユニフォームと一緒に、思い出として留めて置くのが、正しいのかもしれません。学生時代から折れずに使っている「カーボネックス20」が泣いているように見えました。

ヨネックス(YONEX) CARBONEX 20(フレームのみ) CAB20F ホワイト 3U5
  • 出版社/メーカー: ヨネックス(YONEX)
  • 発売日: 2013/11/12
  • メディア: スポーツ用品

きっと、これから始まる冬のリーグ団体戦も勝てずに終わるのでしょう。

一度置いたラケットを、再び握るには、もう時間が経ち過ぎてしまったようです。