2016年12月14日水曜日

バドミントンS/Jリーグ 2016(日本リーグ)の注目選手

今年もバドミントン実業団による日本リーグが始まった。今年から1部はS/Jリーグと名称が新たになったが、出場する主な顔ぶれは変わらない。今日は、このS/Jリーグで注目して欲しい点について書いてみたので、バドミントンが好きな人は読んでみて下さい。


例年、男子の実業団リーグはNTT東日本、トナミ運輸、日本ユニシスの3強で優勝を争う形だったが、NTT東日本は田児賢一が例の賭博問題でバドミントンの世界から消え、金メダルのホープであった桃田賢斗も出場停止、同じくホープ(2015年の全日本総合でシングルベスト4)の古賀輝も出場停止で、総合力がガタ落ち。トナミ運輸と日本ユニシスの戦いとなった。

注目選手1:渡辺勇大

注目選手はやはり、日本ユニシスの渡辺勇大だろう。桃田賢斗の出身校である富岡高校で頭角を表し、高校のタイトルは総嘗め。シングルスでも圧倒的な強さを見せ、昨年の全日本総合では高校生ながらトナミ運輸の山口容正(結構強い)に勝って堂々のベスト16。今後は単複で活躍するのかと思っていたら、ダブルスに専念することに。そして、今年の社会人選手権ではリオ五輪男子ダブルス出場の遠藤大由と組んで優勝。遠藤とダブルスを組んで日本のダブルスを牽引してきた早川賢一が引退してコーチになったこともあり、今一番注目されているダブルス選手となった。

12月初旬に行われた全日本総合では決勝で園田・嘉村ペアには敗れたものの、19歳で全日本総合準優勝という偉業を成し遂げており、これからの日本のバドミントンのダブルスを牽引していく逸材であることは間違いない。このS/Jリーグでは、出場する試合は全て勝てるか、特にトナミ運輸戦で園田・嘉村ペアにあたった際、全日本総合の雪辱を果たせるかどうかが、注目のポイントだろう。

渡辺勇大

注目選手2:佐藤翔治

そして、今回もっと注目しているというか、注目させられたのが、あのベテラン選手の復帰だ。前述の通り、男子バドミントンの名門NTT東日本は主力選手が出場停止で戦力がガタ落ちしただけではなく、登録人数そのものがギリギリとなったため、まさかの、あの佐藤翔治が復帰することとなった。

佐藤翔治

佐藤翔治については既にこのブログでいかにレジェンド的な存在だったのかは紹介させてもらったが、未だに根強いファンは多いと聞く。それだけ彼を見て育ったバドミントンプレイヤーが多いということだろう。

あくまで登録上の仮選手ということだが、NTT東日本は現役選手が5人しかいないため、リーグ戦中に誰かが負傷すれば選手として出て来る可能性があり、もう二度と見れないと思っていた佐藤翔治のプレーを見ることができるかもしれない…と、書こうかと思っていたところ、何と、先日開催されたラケットメーカーウィルソン主催の「佐々木翔引退セレモニー」で、JR北海道の竹村純とともに佐々木翔とシングルスを行ったというではないか。

試合の様子は、ユーチューブにもアップロードされているので、もし興味のある方はチェックしてみて欲しい。さすがに衰えは隠せないが、佐々木翔のライン際スマッシュをダイビングしてネット前にレシーブするあの姿は、現役の佐藤翔治を彷彿とさせた。ああいうプレーは、やはり持って生まれた何かがないとできないと思う。


佐々木翔vs佐藤翔治 最後の試合(世界と戦う世界に挑む)

なお、佐藤翔治の現役時代プレーをもっと見て勉強してみたいという人には、絶好の教材があるのでここで宣伝しておきたい。

バドミントンパーフェクトマスター (スポーツ・ステップアップDVDシリーズ)
  • 作者: 松野修二
  • 出版社/メーカー: 新星出版社
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 単行本
本書が古い本であることは否定できないが、附属のDVDに収録されている佐藤翔治の美しいフォームは、いつの時代も色褪せることはないだろう。佐々木翔も田児賢一もかなり独自のフォームで打つ選手だったので、特に初級者はこの本でフォームを学ぶのが良いと思われる。

北都銀行コーチ:佐々木翔

さて、佐藤翔治の宣伝についてはこの辺りにしておいて、他に注目して欲しいマニアックな点を紹介しておきたい。

まず一つ目は、北都銀行女子のコーチに佐々木翔が就任しているところだ。写真ではどう見てもトナミ運輸のジャージを着ているのだが(笑)、佐々木翔がアドバイスする姿をリーグ戦中に見ることができるだろう。今後、指導者としてどれだけ優秀な選手を生み出せるのか、注目していきたい。

北都銀行コーチ:佐々木翔

トナミ運輸のマネージャー:大堀彩

二つ目は、トナミ運輸男子のアシスタントマネージャーに可愛らしい女の子の顔を見つけたことだ。バドミントンをよく知らない人が見たら、ただの可愛い女子マネージャーにしか見えないだろうが、このマネージャーは女子バドミントン期待の星、大堀彩である。

リオ五輪にも出場した天才山口茜と年代が近いため(山口茜の1歳上)、国内ではずば抜けた戦績は残せていない彼女だが、今年色々あったNTT東日本から女子の部の存在しないトナミ運輸に移籍。リーグ戦は出場しないのかと思っていたら、マネージャーに登録されているとは、トナミ運輸は色々と贅沢な部である。

トナミ運輸のマネージャー:大堀彩

個人的には、ルックスもある彼女の活躍が、今後の日本バドミントンの人気に繋がっていくのではないかと思っている。

男子リーグの展望

最後に、例によって女子の方はあまり興味がないため、男子リーグのみ展望を付け足しておきたい。

最初にも書いた通り、優勝はトナミ運輸か日本ユニシスで間違いないだろう。リーグ戦はダブルス1・シングルス・ダブルス2となるため、優勝決定戦になるであろうトナミ運輸VS日本ユニシス戦を、12月の全日本総合の結果順に強い方からぶつけていくとなると以下のオーダーになる。※【】内は全日本総合選手戦での結果

(第一ダブルス)
トナミ:園田啓悟・嘉村健士【全日本1位】
ユニシス:遠藤大由・渡辺勇大【全日本2位】

(シングルス)
トナミ:西本拳太【全日本1位】
ユニシス:坂井一将【全日本2位】

(第二ダブルス)
トナミ:保木卓朗・小林優吾【全日本ベスト4】
ユニシス:井上拓斗・金子祐樹【全日本ベスト4】

なお、西本拳太はトナミ運輸の内定選手として登録されているので、多分出て来るのではないかと思われる。

こうして見てみると、まさかの全日本総合の優勝・準優勝・3位選手によるオールスター戦であることが分かるが、やはりダブルスもシングルスも優勝選手を擁するトナミ運輸が有利なのは間違いないだろう。あとは、当日の運。両チームにそれほど力の差があるようには思えない。


ただ、今年の全日本総合を見ていて思ったのだが、やはり田児賢一・佐々木翔・桃田賢斗のいない男子は、面白くなかった(出場した選手には申し訳ないが)。追放された田児と引退した佐々木は仕方がないが、桃田には早く戻ってきて、あの圧倒的なプレーを見せてもらいたいと一人のファンとして切望している。

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