2014年9月12日金曜日
細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!
数学が専門なのに、経済のわかりやすい本でもベストセラーを連発することで有名な細野先生の本。「数学思考力」ということで数式がバンバン出てくるのかと思いきや、全く出てこなかった。よって、僕のような文系人間が読んでも大丈夫。
ニュースのバイアスやデフレの本質の解説は目から鱗だった。この本で一番筆者が言いたかったことは、ニュースの本質のつかみ方だ(たぶん)。素朴な疑問を持ってニュースを読んで、その疑問に仮説検証を行い、本質を掴むと。たとえば「この国の国債の金利は高いから魅力的な金融商品だ」という情報に対しては、金利が高い=魅力的な金融商品ということは正しいが、そもそも国債の金利がなぜ高いのか?という疑問を持つことが必要。高い金利を付けないと資金が集まらないから高いかもしれない。では、なぜ普通の金利では集まらないのかというと、デフォルトする可能性が…てな感じかな。
この素朴な疑問はニュースを問わず生活全般に必要な力だろう。たとえば、「絶対に儲かる」という株の購入を勧めてきた証券マンがいたとして、ではなぜ証券マンは自分で買わないのか。ネットでは「簡単に儲ける方法を特別○○万円で」というサイトがあるが、その方法を他人に教えずに自分だけ稼げばいいのに、なぜわざわざ高額な金額で他人に売るのか。
というか、いつも先物取引の強引な営業電話かけてくる、ちょっと日本語のおかしいお前ら!お前ら、一体何なんだよ!「将来に不安ありますよね」って、お前の将来よりかは遥かに明るいわ!!
…ちょっと脱線してしまった。
とにかく、細野先生の本が好きな人は読んだ方がいいと思う。ただ、タイトルは「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本」というより、「ニュースの本質を読む力を付ける本」とかの方がぴったりだと思った。
2014年9月2日火曜日
株主総会を振り返って
コンサルティング会社の担当者から、今年の株主総会のレビューについて話を伺った。後日、同業者で会合があるため、その際に話題に遅れないようにもまとめておく。一応、最後には参考データのリンクも貼ってあるので、興味のある方は読んで下さい。
・外国人株主の持株比率が過去最高
個人株主数が減少した一方で外国法人等の株式保有比率は30%を超え、過去最高であった昨年度を上回った。これにより、ISSやグラスルイスといった議決権行使助言会社の影響力が一層高まることとなった。
・社外取締役の導入が進む
社外取締役を設置していない場合に株主総会で説明義務が生じる改正会社法の成立が見込まれたことが影響し、社外取締役の新規導入が進み、東証1部全体で7割の企業が社外取締役を設置したことになった。今年新たに導入した企業は新日鉄住金や任天堂など354社。
なお時価総額上位100社(2014年8月末時点)では複数名選任が8割を超えている。東証一部全体では複数名選任は34%に留まる。
・お土産の廃止
株主総会へ来場した株主へ配布するお土産を廃止する企業が増えてきている。廃止の理由(本音)は経費削減であるが、建前として使われる理由は「地方にいて参加できない株主もいるため、公平性に配慮した」である。
・日本版スチュワードシップ・コード
日本版スチュワードシップ・コードについて、国内外の127機関が受け入れを表明した。本コードの受け入れは機関投資家の裁量とされているが、受け入れた場合は投資先企業との「建設的な対話」(エンゲージメント活動)や議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つことが求められている。一部の生命保険会社などでは、たとえ政策投資先であったとしても、定めたガイドライン通りの議決権行使を明言している。
・コーポレートガバナンス・コード
政府が掲げた成長戦略を受けて、金融庁と東証は「コーポレートガバナンス・コード」の策定を進めており、その内容には独立した社外取締役を複数名の設置促す項目が盛り込まれている。今年になってようやく社外取締役を1名導入する企業が増えてきたのに、矢継ぎ早に2名以上を求めるような施策が打たれるのはなぜか。これは、安倍政権が現在の株高によって上手く運営されていることに起因しており、今日本株を一番買っている投資家=外国人株主が好む施策が、これまでにないスピード感で進められている。
・招集通知のグッド・プラクティス
経済産業省より、招集通知のグッド・プラクティス事例の調査結果が公表された。良い招集通知の事例として挙げられている会社はオートバックスセブン、三井物産、小松製作所、資生堂などである。
<参考>
社外取締役「複数」8割 100社調査、兼務が倍増(日本経済新聞)
東証上場会社における社外取締役の選任状況(東京証券取引所)
日本版スチュワードシップ・コード(金融庁)
コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議(金融庁)
株主総会の招集通知のグッド・プラクティス事例の調査結果を公表します(経済産業省)
・外国人株主の持株比率が過去最高
個人株主数が減少した一方で外国法人等の株式保有比率は30%を超え、過去最高であった昨年度を上回った。これにより、ISSやグラスルイスといった議決権行使助言会社の影響力が一層高まることとなった。
・社外取締役の導入が進む
社外取締役を設置していない場合に株主総会で説明義務が生じる改正会社法の成立が見込まれたことが影響し、社外取締役の新規導入が進み、東証1部全体で7割の企業が社外取締役を設置したことになった。今年新たに導入した企業は新日鉄住金や任天堂など354社。
なお時価総額上位100社(2014年8月末時点)では複数名選任が8割を超えている。東証一部全体では複数名選任は34%に留まる。
・お土産の廃止
株主総会へ来場した株主へ配布するお土産を廃止する企業が増えてきている。廃止の理由(本音)は経費削減であるが、建前として使われる理由は「地方にいて参加できない株主もいるため、公平性に配慮した」である。
・日本版スチュワードシップ・コード
日本版スチュワードシップ・コードについて、国内外の127機関が受け入れを表明した。本コードの受け入れは機関投資家の裁量とされているが、受け入れた場合は投資先企業との「建設的な対話」(エンゲージメント活動)や議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つことが求められている。一部の生命保険会社などでは、たとえ政策投資先であったとしても、定めたガイドライン通りの議決権行使を明言している。
・コーポレートガバナンス・コード
政府が掲げた成長戦略を受けて、金融庁と東証は「コーポレートガバナンス・コード」の策定を進めており、その内容には独立した社外取締役を複数名の設置促す項目が盛り込まれている。今年になってようやく社外取締役を1名導入する企業が増えてきたのに、矢継ぎ早に2名以上を求めるような施策が打たれるのはなぜか。これは、安倍政権が現在の株高によって上手く運営されていることに起因しており、今日本株を一番買っている投資家=外国人株主が好む施策が、これまでにないスピード感で進められている。
・招集通知のグッド・プラクティス
経済産業省より、招集通知のグッド・プラクティス事例の調査結果が公表された。良い招集通知の事例として挙げられている会社はオートバックスセブン、三井物産、小松製作所、資生堂などである。
<参考>
社外取締役「複数」8割 100社調査、兼務が倍増(日本経済新聞)
東証上場会社における社外取締役の選任状況(東京証券取引所)
日本版スチュワードシップ・コード(金融庁)
コーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議(金融庁)
株主総会の招集通知のグッド・プラクティス事例の調査結果を公表します(経済産業省)
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