株主総会が終わって気が抜けていたら、気づけば7月も終わりに差し掛かっていた感じである。
さて、今月の初旬、株式関係の会社が相次いで挨拶に来社し、その際、今年の6月総会のトピックスを教えてくれた。まとめると以下のような感じだ。
1.社外取締役に関しては、来年施行の改正会社法の影響もあり、事前の大方の予想通り、大半の上場会社が導入に踏み切った。むしろ大規模な会社では、複数の社外取締役を選任する会社が増えてきており、複数選任が今後のトレンドになりそうである。特に日経225企業では7割以上の会社が複数名を導入しているという調査結果もある。
2.招集通知に関しても、無味無乾燥な従来の招集通知から、カラー化までには至らないものの、若干の工夫を凝らす会社が増えた。具体的には、UD(ユニバーサルデザイン)フォントの使用、大型化、表紙及びインデックスの作成である。この程度であれば、作成費用は左程増加せず、より読みやすい招集通知を作成しているというアピールにもなるということで評判らしい。
より詳細な分析は今後出てくるであろうが、現時点ではこんなところであろう。
あと、最近気になった新聞記事は、7月1日に日経に掲載されていた「社外取締役任期制限」という記事だ。これは経産省からの提言で、内容はタイトルの通りで社外取締役に任期を設けたいらしい。最近、会社法の改正に加えてこの経産省提言、要するに役所は自分たちの新しい天下り先候補の創出に躍起になっているに過ぎないのではないだろうか。
会社ガバナンスが緩んだ結果として選任された社外取締役は別として、ほとんどの普通の上場会社にとって、社外取締役というのは割と楽なポジションであるのは間違いがない(傍から見ていての実感である)。月イチ程度の出勤で、そこそこ役員報酬がもらえ、かつ上場会社の取締役という肩書(名刺)が手に入る。しかも、これまでの天下りポジションである顧問とかは、何か後ろめたいものがあったが、上場会社の社外取締役は法定で必要な機関となったため、いるだけで組織に貢献していることとなるため、堂々と会社にいることすらできるのだ。
全て推測の域だが、今後、経産省出身者の社外取締役が増加するかウォッチしておくこととしよう。